呪いの王の最愛の花嫁【両面宿儺】

拾陸話 ページ19

宿｢俺の妻となれ。結｣

俺は、結に
言いたかった言葉を
ついに口にした

すると、結は俺から目を逸らし
俯いては、顔色を見せないようにする
それと同時に俺の手に雫が垂れる

宿｢な、泣いておるのか？｣

俺は、結の泣いている光景に
驚きを隠せず、思わず結の顔をあげる
その目は、泣いていた

宿｢そこまで嫌だったか｣

俺は、結から離れようとすると
結は、でかい声で
え！？、と叫び、俺の腕を掴む

貴｢逆に決まっているじゃないですか！｣

逆…。逆と言うと。嫌、の反対は…

俺は、ゆっくりと
結の方へ顔を向けると
時が止まった気がした

貴｢私を、貴方のお嫁さんにして下さい！｣

俺へ向ける結の笑顔は
声に出さずとも分かる愛おしい、と伝わる
そんな結の笑顔があまりにも綺麗で
俺は、呼吸をすることすら忘れた

宿｢とんだ奴だな…
どれだけ、俺を狂わせる気だ…｣

俺が気持ちを落ち着かせる為に
はぁ、とでかいため息をつく
それと同時に結の口を塞ぐ

ゆっくりと離れていっては
何度も角度を変えて繰り返す
磁石のように引き寄せあい続けた

必死な結に
俺は、また愛おしさを感じ
結の頭の後ろに手を添え、床へと横にさせる

結の呼吸は荒れており
目は潤んでいて
頬はほんのりと紅色に染まっている

俺の惚れた女がそうなっておる
流石に俺の理性も崩れかけている

宿｢結。離れろ｣

俺は、理性を抑えつつ
結から離れるため立ち上がろうとすると
腹部分に違和感を感じ、肩が跳ねる

結が、腹の口の方に
口付けをしていたのだ

宿｢なにを、している…｣

貴｢もっと…｣

結は、恥ずかしそうに
腹の口の方に何度も口付けをする
俺は、その度に腰が疼く

貴｢もっと…、貴方を下さい｣

その言葉に俺の我慢は切れ
切れたと同時に
ここぞとばかりに腹の口の方が
結の服の中に舌を入れる

貴｢…あっ！｣

か細い声が響き
俺は、それをかき消すかのように
結の口を塞ぐ

結の服は段々と乱れていき
俺は、その雰囲気に流れるように
結の体温に鼓動に身を委ねる

貴｢…宿儺、様｣

宿｢…結｣

俺は、結の服を戻し
結をゆっくりと俺の膝に座らせる

貴｢宿儺様？｣

宿｢怖いのだろう｣

結は、それに驚き、顔を伏せる

宿｢俺は、お前の体ではなく
お前自身に惚れたんだ
無理して、そういうことをしなくて良い｣

貴｢…ありがとう、ございます｣

結は、照れながらも
俺をずっと離さなかった

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