目が覚めたらアンドロイドだった (ページ5)

今日:5 hit、昨日:0 hit、合計:493 hit

5.間接的(？)な助言ページ5

彼は古くからノーベル様のご友人だというルゥマ様。恩人のご友人も恩人(？)理論で敬称をつけさせて頂いている。

そんなことなしでも結構可愛がってもらっている。アンドロイドにはあまり必要ではないのに洋服を何着も何着も…。

「おや、こんにちは、Aさん。ティータイム中失礼しますねぇ。」

『いえいえ！あ、今ルゥマ様のお紅茶…………』

これは…お出しした方がいいのか…！？
いや、しかしあまりの不味さに倒れてしまうのでは無いか？

「では、お願いできますか？いやはや、楽しみですねぇ、Aさんの淹れた紅茶。」

「期待はしていいと思うよ。」

ノッ、ノーベル様ァァ！！なんて事を！私の紅茶が不味いなんて貴方が一番お分かりになっているというのに！味音痴なんですか！？味覚センサー故障しているんですか！？

『かっ、かしこまりました…(震)』

「ああ、しかし」

『どうなさいました、ルゥマ様？』

「僕はぬるいのが苦手でしてね。熱いのをお願いできますか？」

『も、もちろん』

私はスタコラサッサしてお湯を沸かしに行った。ルゥマ様は熱いのが良いって言ってたから今回の冷ます時間は少し短くても…そこで私はあることを思い出した。

＜紅茶の渋みの原因であるタンニンは時間が進むにつれて増していきます＞

これは私が紅茶修行の為に買った本にあった文だ。

ちょっと待てよ、私、確か(苦味を出すため1、2分放置)したよな。これで丁度良い温度になるし、苦味もいい感じになると思っていた。

でも果たして意味はあったのだろうか。何故ならキッチンからラボまでは丁度1、2分かかる。私が紅茶を冷ます時間＋移動時間で最長4分も放置していることになる。それだと苦すぎるのも当たり前だ。何故気づかなかったのだろう。そういえばノーベル様がリビングで飲むことってあまりなかったような。

要約すると、

『熱々のままお持ちする！！』

ルゥマ様ありがとうございます！これで美味しい紅茶がいれられるはず。

私は沸騰したお湯を急いでティーポットにいれてラボへと向かった。