首領の女 １４

抱き枕 ページ5

空いたスペースに横になる
反対方向を向いてるから
そっと背中に手を当て
さっきのセリフを言う



















A
『万次郎、起きて』

佐野
「んぅ....」



















莉央ちゃんの時と同じように
くぐもった声が聞こえてくる
くるっと回転し
ゆっくり目が開く



















佐野
「A.......？」

A
『起きて』

佐野
「.......んふっ」



















少し微笑んだのが見えた
ぎゅっと抱き締められた



















佐野
「寝よ、まだ眠たい」



















足まで絡み
まるで抱き枕にでもなった気分だった



















A
『え.......』



















どうしようかと考えてると
頭上から声が聞こえた



















蘭
「こりゃ完全に分かってんな」

佐々木
「お手上げだぁ」

A
『あのたすけ』

三途
「無理ぃ
ボスの為に抱き枕にでもなってろ」








、












そのままみんなは居なくなってしまい
解こうにもどこに力があるのか
ぎゅっと抱き締める力が強くなるだけで
大人しく抱き枕になるしかなかった

鶴蝶と九井が事務所に戻ると
何故か抱き合って眠るふたりがいた
鶴蝶はそっと床に落ちたブランケットを掛け
九井は静かにしようと
そっとふたりは戻って行った

嫌な予感→←嫌

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