首領の女 １２

真実 ページ30

A
『いらっしゃい
早速で悪いんだけど先週の記憶はある？』

鶴蝶
「先週？
多少はあるがそれがどうかしたか？」

A
『先週、お昼過ぎぐらいにここに戻ってきたでしょ？
その時に女の人が居たのは分かる？』

鶴蝶
「女の人？女なんて居なかったぞ」

A
『は？
え、居たよ！！居たじゃん！？
カクちゃんまで嘘つくの！？』

鶴蝶
「ちょっと待て！ちゃんと思い出す」



















先週のことを必死で思い出す

確か先週は
取引先の人と会食した
昼飯だったので早めに終わり
帰ろうとしたら
良かったら息子も一緒にお願いしますと言われ
そいつを乗せてアジトに戻ってきた
息子さんは用があり通る道が同じだった
思い出しても女なんて居ないし
姫の勘違いとしか思えない



















鶴蝶
「あのさ、姫
もしかして姫が言ってる女って着物着てなかったか？」

A
『着物？』



















確かに抱きついた女の人は着物を着ていた



















A
『あ、着てた！！』

鶴蝶
「やっぱり....
それ、姫の勘違いだよ」

A
『え....かん、ちがい....？』

鶴蝶
「姫が見た着物の人は男」

A
『え.......
で、でも線の細い人だったし
背も小さかったし
あれはどう見ても女の人....』

鶴蝶
「まぁ、確かに小さいなw
小さい頃身体が弱かったらしいんだ
あの日、夜に花火大会があって
それを仲のいい友達と見に行くから
途中まで送っただけだよ
これが真実」

佐野
「誤解は解けたか」

鶴蝶
「解けたよ、そろそろ戻るな
後は二人でなんとかしてくれ」



















そう言い鶴蝶は部屋から出て行った
後ろを振り向くのが怖くて
振り向けなかった



















佐野
「なにか言いたいことがあるんじゃねーのか」

A
『ご、ごめんなさい』

佐野
「突っ立ってないでこっちに来い」



















怖かったが後ろを振り向いた
ドカッとソファに座るのが見え
ソファの前に正座で床に座った

お怒りさん→←覚えてない記憶

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す