首領の女 １１

家 ページ34

佐野
「離せ！！」

A
『ダメだよ！！一虎が死んじゃう！！』

佐野
「関係ねー！！」

A
『お願いだからやめて！！
お願い万次郎！！』

佐野
「っ！！」



















名前を呼んだらピタッと動きが止まった



















佐野
「、、、A」

A
『お家に帰ろう、ね？
ここに居たくない』



















一虎の上から立ち上がった万次郎は
傍に置いてあった拳銃と
ジャケットを拾い肩にかけられ
血塗れになってない左手を差し出された



















佐野
「帰ろ」



















その手を握り返し
私たちはその場から立ち去った
いつの間に呼んだのか
黒い車が目の前に止まり
それに乗り込み家に帰った
部屋に着いても手は離されることはなく
そのままお風呂場に直行した
手が離されシャワーの音が聞こえる
私は万次郎の顔を見ることが出来なくて
下ばかりを見ていると
赤い血が足元に流れてるのが見えた
頬に手をあてられ上を向かされる



















佐野
「誰かわかる？」

A
『、、、万次郎』

佐野
「正解
少し染みるかもしれないけど我慢して」



















シャワーが身体に当てられる
噛まれた箇所に痛みが走る



















A
『っ！！』

佐野
「痛いよな、でも我慢して
綺麗にしてあげるから」



















痛みもあったけど
万次郎に対して申し訳なさが募り
涙がポロポロと溢れてくる

真実→←正気を取り戻す

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す