首領の女 １１

浮かれる ページ27

街中にも関わらず
ポロポロと溢れてくる涙
あまりの可愛さにぎゅっと抱きしめた

抱きしめたらそのまま帰りたくなったけど
デートとか言われ
そんなつもりもなく
ずっと部屋にいるAを
たまには連れ出そうと外に出ただけだったのに
デートって、、、
そう言われたらデートする気満々で
頭を撫で早く泣きやめ〜と念を送った



















A
『ほんっとごめんなさい、もう大丈夫』

佐野
「なら行こ」

A
『うん！』



















お目当てのカフェでお茶して
その後、たくさんのお店を見て回った
本当にデートしてるみたいで
この後起こる出来事に
その時の私はあまりの浮かれっぷりに
全く気付いてなかった



















佐野
「次どーする？
もう結構見て回ったけど」

A
『ん〜なら最初のお店に戻らない？
やっぱりあれ気になるの』

佐野
「別にいーけど
ここからだとだいぶ歩くことになるけど疲れてねーの？」

A
『うん、まだ大丈夫』

佐野
「なら行くか
最初の店なら戻った方が早いな
えーっと、、、」

A
『っ！！』

佐野
「あぁあったあった
あそこの店曲がると近道になんだよ
だからあそこから行こ」



















後ろを振り向くと
さっきまで居たはずのAは居なかった



















佐野
「え」



















周りを見渡しても
それらしき人物は一人もいなくて
嫌な汗が頬を伝ったことに気付く

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