完璧な奥さん２

俺のもの ページ4

side葛葉

あーぁ....
だから連れて来たくなかったんだよ....

大きな音で目が覚めた俺は
起き上がろうとしたら
Aと不破っちの会話が聞こえてきた
咄嗟にソファに逆戻りした
会話を聞くのは野暮な事だとは思った
でもなんとなく聞き耳を立ててしまったのは
ここだけの話としよう

会話の流れ的に
不破っちはAを守ろうとした
でもAは
熱がある不破っちを逆に守ったってことがわかった

不破っちは俺から見ても
甘えたり、他人を頼るのが下手な人間だと思う
自分でなんとかしようと考えるのも上手い
そんな不破っちの凝り固まった考えを
いとも簡単に解いていく

Aはそういう女だ
相手から聞き出すのが上手い
なんとも思ってなくても
相手の心が読めるみたいに、簡単にAに引き出される
そしたらもうAの手の中だ

きっと不破っちも
Aみたいな人間を初めてみたんだと思う
叶もそうだ
アイツは人をよく見てる
ほんの小さな事がきっかけでそれに気付いた
だからアイツはAが好きだと言い張った
だから誰にも会わせたくなかった

Aの良さに気付くと
みんながAに溺れていく
そんなのは耐えられない
やっと自分のものに出来たのに
他の人に奪われるなんて以ての外
最悪最低な出来事だ

Aをどこにもやらない為にも
俺は行動を起こさないといけない
閉じ込められたら楽なのに
という悪い考えが思い浮かぶ
でもそんな事出来ないし、やりたくもない
Aを悲しませたくない
俺は俺のやり方でAを守る
大丈夫、簡単なことだ
だってもう既にAは俺のものなんだから

足りない自覚→←甘えることの難しさ

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