完璧な奥さん２

＊ ページ23

葛葉
「っはぁ....Aさ〜ん
やり逃げはねーんじゃねーの」

『............』

葛葉
「....なんかねぇの？反論とか」

『............』

葛葉
「いつもなら噛み付いてくんじゃん」

『.............』



















頑なに喋ろとしないA
いつもならすぐ言葉が返ってくる
喋れなくなるまで長くはしてない
ただ真っ赤な顔のまま俯くだけ



















葛葉
「A」

『........い、今無理』



















よほど恥ずかしかったのか
か細い声で無理とだけ伝えられる
はじめて見る反応を前に
俺もどうしたらいいかわからず
手を引き部屋から出ることにした

リビングに戻ってきて
ソファに横並びに座っても
俯いたままなので
テレビをつけ元に戻るのを待った



















side主人公

顔があげられない
自分からするって決めたのに
いざやってみると
恥ずかしさでいっぱいになった
テレビの音もなにも聞こえない
隣にいる葛葉が見れない
なにか言わないといけないのに
喋ろうとしても喋れない
葛葉は優しいから
私がなにか喋るまできっとずっと待つ
深呼吸してなんとかうるさい心臓を落ち着かせる



















『すぅーーーはぁーーーー』



















少しずつだけど落ち着いてきた
うるさかった心臓もさっきよりマシになった
大丈夫、これなら話せる

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