給仕係はマイノリティ ページ11
「給仕君用のインカムあった方がええやろ？調整したいからちょっと借りたいんやけど」
「んーなら先ロボロの方片付けた方がええな。終わり次第こっち来てくれたらええわ」
「かしこまりました」
食事を済ませた面々が続々と食堂を後にする。最後に残ったのはエーミール様ただ一人だった。
「…………」
無言の時間が流れる。
エーミール様は昨日の事を気にしてか、赤い顔のまま殆ど食事が進んでいない。
「あ、あの……給仕、さん……」
「はい、何でしょうか？」
全くもって普通に受け答えした筈なのにエーミール様の肩はぴゃっと跳ねてまた顔を伏せてしまう。
「あ、あの……えと……昨日はお見苦しい所をお見せしてすみませんでした……」
「いえ、大丈夫ですよ。気にしないで下さい」
「……給仕さんは気にしてないんですか……？」
「ええ。この通り」
そんな俺を困ったように見つめるエーミール様に僅かながら首を傾げる。
「ふ、普通男同士でキスしたら……大概気持ち悪いと思うんやけど……給仕さんは、その……同性愛者の方だったり？」
「いえ、違います。……どちらかと言えば無性愛者、でしょうか？」
「無性……愛者」
「私の場合でしたらアロマンティックの傾向が強いでしょうか？簡単に言えばどんな性別に対しても恋愛感情を持てないんです。キスなどの接触は求められればしますが、私には必要無いものだと思っています」
「そんな……」
「ならいつでもキスしてええって事やな？」
突然背後から声を掛けられたかと思うとゾム様が後ろから抱き着いてくる。思わず少し顔を歪めてしまった。
「……ゾム様おはようございます。命令なら従いますよ。命令なら、ですが」
「ﾁｯｽﾁｯｽそんな嫌そうな顔せんでええやろ」
ゾム様は言葉の端々に笑いを混ぜながら俺の首筋やこめかみにキスを落とす。この人ちゃんと話聞いてたのだろうか？
「給仕さぁんおはようございます」
「ショッピ様、おはようございます」
「今日も相変わらず可愛いっすね。好きっす」
「はあ……ありがとうございます」
「ショッピ君よぉ……邪魔してんちゃうぞ」
「あ、ゾムさんいたんすか。ちっす」
「は？なっ……え？」
目の前でゾム様とショッピ様が俺を挟んでメンチを切りあっているのを呆然と見つめるエーミール様がそこにはいた。……まぁお気持ちは分かりますよ。えぇ。
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アラバ - めっちゃ好きです、、、！更新楽しみに待ってます！！！ (2020年12月14日 15時) (
レス) id: 0fc2752c87 (このIDを非表示/違反報告)
虚(プロフ) - とてもドストライクな作品です！お気に入り失礼しますっ！更新幾らでも待ってますっ！ (2020年3月27日 8時) (レス) id: 7c0e52b0b9 (このIDを非表示/違反報告)
もち。 - 元気でよかったです！！給仕くんの性格めちゃめちゃ好きなので、楽しみにしています。気長に待ってますのでご無理なさらず…！応援してます。 (2019年12月27日 12時) (レス) id: 61ae191a92 (このIDを非表示/違反報告)
如月 鰊(プロフ) - 勝手に完結してしまっていたのは、ユーザー投票の機能だと思われます。一ヶ月以上更新がないと、読者へ「この作品は一ヶ月以上更新されていませんが、完結していますか？」という質問が設置される仕様です。それで完結しているへの投票数が多かったからだと思います。 (2019年12月7日 20時) (レス) id: 13b509db5c (このIDを非表示/違反報告)
酢漿草(プロフ) - 主さん元気で良かったです待ち続けた甲斐がありました泣これからも楽しみにしてます！頑張ってください！ (2019年12月7日 11時) (レス) id: cfae73eccd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：花緑青 | 作成日時：2019年8月23日 3時
