月の巫女【番外編 ハロウィンの花嫁】

第6話 ページ6

貴「これから行くのはちょっと特別な場所なの。悪いけど目隠しさせてもらうわよ」

松「へーへー、わーったよ」

陣平に研二の順番で黒い布で目隠しをして、手を引いて車に乗せる
ちなみに運転は私だ
本当は部下である景光が運転するものだろうが、今更そんなのを気にする関係でもないので、その日の乗っている車の所有者が運転をすることにしている
シェルターの場所を勘繰られるのはまずいので少し遠回りしながら車を走らせる

萩「にしても、美和子ちゃん相手にあんな顔する月姫初めて見たかも」

少し走ったところで研二が口を開いた

貴「そう？」

諸「仕事モードで会うのが初めてだからじゃないか？仕事モードの月姫はいつもあんな感じだぞ。身内だろうと厳しいからな」

貴「危ない仕事しているんだから真剣に臨まないとでしょ？指示出す側がしっかりしてないと部下の方にも影響や支障が出るんだから」

諸「でも、仕事の時以外はいつも表情柔らかいよな」

松「基本的に姫さんは年下と身内には甘いだろ」

陣平の言葉にギグッとなる
本当はあの時、美和子に今回の事件が国際テロの可能性があることも、昨日爆発事件が起きたことも、それを公安が調べていることも伝えるのはあまり褒められた行動ではない
公安の情報は安易人に教えて良いものではないのだ

貴「……否定はしないわ…。それで、陣平たちは私に文句言わないの？これは俺たちの事件だって」

松「そりゃ、俺が過去に関わったやつが死んで気にはなるけどよ。もう決定事項なんだから駄々こねたりしねぇよ。この米花町は異常な数の事件に溢れているんだ。他にもやらねぇといけねぇことは星の数ほどあるんだからな」

萩「そうそう。爆処にいた時も思ったことだけど、出動多すぎ。そんな爆弾ってポンポンあっていいものじゃないのよ？それに、1課に移った後も休みを取るのに一苦労するくらい事件は起こる。班長も言ってたぜ？所轄にいた時とは比べ物にならない忙しさだってな」

貴「……そうね。この街は死神に魅入られているわ…」

日本で、1年間の殺人事件が1番多いのはこの米花町だ
隣町だからか杯戸町なども事件は多い
毒殺、絞殺、刺殺、転落、撲殺、交通事故など、死因は様々だが、中には爆破事件やライフルや拳銃による銃殺までも起きている
銃刀法が敷かれている日本でそんな事件も多数起きてしまっている

貴(まあ、組織のせいも多少は入っているかもだけど…)

第7話→←第5話

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す