月の巫女【番外編 ハロウィンの花嫁】

第5話 ページ5

美和子が哀ちゃんの話を聞いているとどうやら、被害者がメモを落とし、哀ちゃんはそれを拾って手渡したらしい
その時にロシア語で

「..拾ってくれてありがとう。ある人に渡したい大事なメモなんだ」

と言っていたらしい
更に星羅が調べていると爆発の原因は被害者が持っていたタブレットだったとのこと
そして被害者の鞄から陣平の名刺が出てきた
爆弾処理班ではなく、捜査1課の名刺だ

目「松田くん、外国の方に名刺を渡した記憶はないかね？」

松「そりゃ3年も1課に居ますからね。外国人に名刺を渡すなんてこと、結構ありますよ」

目「思い出せんか！」

松「んな事言われても...、顔見れてねぇしな…」

遺体は焼けてしまい、顔の判別などがつかない

貴「子供たちの似顔絵の完成を待つしかないわね」

目「そうだな…。似顔絵完成次第、見てもらえるか？」

松「分かりましたよ」

貴「それと警部さん。申し訳ないんですが陣平と研二をお借りします」

目「なんだと？！Aくんの頼みでもそれは…」

貴「申し訳ありませんが1人の人命が関わっていることです。個人的ではなく、公安の月詠Aの要求になります。命令…なんて言葉使いたくないので分かってもらえませんか？」

目「………分かった…」

目暮さんは拒否権がないということを察してくれたのか渋々だったが頷いてくれた

貴「それと、申し訳ありませんが今回の事件の捜査は公安が担当させていただきます」

佐「いくらAさんでも、納得できないです！これは私たちのヤマよ！」

貴「いいえ。これは元々私たちのヤマよ。ごめんね、美和子。分かってちょうだい。今回の事件は国際テロの可能性がある。そうなった以上、管轄は私たち公安よ。間違ったこと言っているかしら？」

佐「そ、そうですけど…」

私の正論に美和子は先程までの威勢の良い声とは違い、歯切れが悪い。

貴「昨日とある場所で同じような爆発があって、それをこっちは調べているの。犯人は既に目星はついている。あとは確保だけ」

佐「もうそこまで…」

美和子は驚いたように声を漏らした

貴「ということですから、早々に手を引いてもらうようお願いします。風見さん、正式な手続きは任せました」

風「はい」

貴「じゃあ、研二、陣平。ついてきて」

松「…ああ。警部さん、似顔絵できたら携帯にでも写真送っておいてくれ」

目「分かった」

後ろに来ていた風見さんに後の処理を任せて、私と景光、そして陣平と研二はその場を後にした

第6話→←第4話

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す