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正セッター 29 ページ29
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横たわっていたことにも、敬語の理由にも驚く俺たち。
縁下も驚いたみたいだけど、やっぱり身内だ。
そんなこと慣れている、そう言うように、しゃがんだままAちゃんに背を向け、乗るように促した。
うー、申し訳ないです…。なんて言いながら、兄の背に乗るAちゃん。
その2人の足許を見て、思わず、あ、と声が漏れた。
「縁下、と、Aちゃん。これ、2人の鞄だよな？」
2つの鞄を持ち上げて、見せる。
ああ、そうです、すみません。
なんて言って手を伸ばす2人から鞄を遠ざける。
「「え、」」
兄妹の声が、キレイにシンクロする。
「これ、俺が途中まで持ってくからさ」
え！！！、なんて驚きすぎてる縁下に笑って、俺は歩き始めた。
" スガさん！ "
叫んでる(？)声は無視した。
「もうほんと、すみません、ほんとありがとうございます」
ペコペコ。
武ちゃんみたいに頭を下げる縁下。
『ありがとうございますほんとうに』
眠たそうに、でもしっかりお礼は言うAちゃん。
そんなAちゃんにみんな笑って、おやすみ、と言ってわかれた。
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作者名：花夏 | 作成日時：2016年9月18日 17時
