肆拾壱 ▽ ページ10
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『ありがとうございます。でも…駄目』
燈華の殺気をいなす様に微笑み、緩く囁く氷華。
『_________』
________燈華は違和感に気づいた。
収縮した瞳孔が、大きく元に戻る。
貫くような殺気も、みるみるしぼんでいく。
『真逆…氷華』
『その真逆ですよ』
バッと音を立て、氷華の身体に掛けられたタオルケットが宙に舞った。
燈華から、『わ゛っ!!』と高い声。
氷華は燈華にぎゅう、と抱き着いていた。
『________御免なさい、燈華。仮病です。
…燈華に、お姫様抱っこをして欲しかったんです』
にっこりと純粋な笑みを浮かべる氷華。
燈華は眉を歪ませ、すっかり呆れた顔をしたが_______
やがて吹っ切れたように口角を上げる。
『…して欲しいなら、最初に云ってよ』
云いながら、燈華は氷華を抱き上げた。
勿論『お姫様抱っこ』である。
氷華の表情はまるで、純愛な恋心にときめく乙女。
『ふふ。私も、燈華が居ればそれで良いです。
他には何も要りません』
氷華はまた微笑む。
燈華も、返すように微笑みかける。
『…ありがとう。今日は良い日だ。
太宰サンにも会えたし、虎くんにも出会う事が出来た。
_____氷華も、変わらず隣に居る。
行こう、氷華。
そろそろアタシ達の時間だよ』
『はい、燈華。…私達は何時だって、
2人で1つですから
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作者名:Iuna & Asterisk x他1人 | 作成日時:2019年1月13日 13時