丗玖 ▽ ページ8
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ポートマフィア支部、昼過ぎ。
貴重な薄明かりが人の影を映し出す。
さらりと揺れた髪が、影越しに判る。
そして_______重い金属音を響かせ、扉は開かれた。
「支部より
【
黒服達が一斉にある点に向けて礼をする。
其処から響くものは
黒服達が礼をし、迎え入れたのは燈華、氷華の二人。
【深紅】とは、その二人で結成された
______燈華は氷華を姫抱きしていた。
靴音が一人分しか無かったのはこの為だ。
いつもの目つきで、腕の中の氷華を見つめる。
氷華は病弱さが現れたのか、顔色が悪く、呼吸も浅かった。
燈華『…椅子。氷華の』
燈華の極低温の声に、黒服は即座に反応する。
頬に氷を当てられた様に。
燈華、氷華を完全に畏怖の存在として見ている為か、ビクビクしている様に見える。
用意された椅子に氷華を座らせた後、燈華は支部の
「任務遂行お疲れ様でした、燈華殿、氷華殿。
帰還後直ぐで誠に申し訳有りませんが、
こちら、尾崎幹部からの伝達にございます」
黒服から手渡された封筒を、燈華は受け取る。
その封筒は流石幹部級、高級にあしらわれていた。
燈華『尾崎幹部から……有難う。ではアタシからも。
こちら、人虎についての新情報と報告書。
新情報については、電網班に協力頂いた。
報告書は_____最後に貴方の印鑑が必要です。
…貴方達を信用している。一度預かっていて欲しい。
内容を確認した後、こちらに知らせて。取りに行く』
「御意にございます」
黒服の
その隣を、燈華は歩く。
燈華『ごめんね、氷華。行こう』
氷華『は……い』
燈華は自分が着ていたジャケットを脱いで
氷華に肩掛け、再び同じ様に抱き上げた。
そしてできる限り衝撃を与えない様にと、慎重に扉の方へと歩く。
燈華の瞳には、依存相手である氷華への、
無二なる愛情が現れていた。
靴音が________響く。
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作者名:Iuna & Asterisk x他1人 | 作成日時:2019年1月13日 13時