【ヒューマンバグ大学】関東のヴィランに愛されたい (ページ9)

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Ⅲ ページ9

『あ、あの…』

「怒ってはない…事情は把握している。」

家に着き、Aは怒られるのではないかと身構えてしまう。

「…あいつらに何もされてないか？怪我は？何処か触られた所は…」

『ないです…怪我もない、です…触られたところも、ありません…』

「………そうか。」

城ヶ崎は話を聞いてAの目を見る。嘘をついている様子は全くない。しかしこの後何を言われるのか分からずAの体は少し震えているようだ。

「お前が…」

『私が…？』

「………無事で、良かった…」

そう言うと城ヶ崎はそっとAの体を抱き寄せる。いつもなら中々素直になれず言えないのだが…いや今はそんなこと関係ないと心の中で考える。

『賢志さん…私は傍にいます…』

「…あぁ。」

そこからしばらくはお互い何も言わなかったが不穏などのネガティブ系の雰囲気は全く感じられない。

＿＿＿

またしばらくした頃、城ヶ崎は立ち上がり、外に出ようとする。

『あ、あの賢志さん…どちらに？』

「やり残した仕事がある。なるべく早く戻る…今後、帰りが遅くなるようなら連絡を入れろ。迎えに行く。」

そう言うと城ヶ崎はそのまま家を後にする。

翌日、1つの半グレ組織が何者かの手によって壊滅したと羅威刃内で噂になっていたそうだ…