【ヒューマンバグ大学】関東のヴィランに愛されたい

自覚【高城蓮太郎】 ページ18

※破亜裂火夢主(年下)、羅威刃加入前の話

＿＿＿



時刻未明、破亜裂火のドアを開ける音が響く。ソファーで寛いでいた高城はその音に気づき一瞬敵襲かと身構えたがこちらに駆け寄ってくる人影を見てそっとナイフを仕舞う。



『わぁぁぁぁ！？高城さん！私です！○○Aです！』

「Aか、どこ行ってたんだ…て。」



駆け寄ってくる人影の正体は部下の○○A。しかし距離が段々近づいてくると高城は違和感の正体に気づく。



『いやー、コンビニ行こうとしたんですが途中で雨が酷くなって…あれ？何で後ずさりするんですか？』

「な、何でもねぇ…」

『何でもないのに何で後ずさりするんですかー！』

「…とりあえずこれ羽織れ。」



口には出していないが高城が後ずさりした理由はAの服が雨で透けていることに気づいたから。しかも相手が想い人なのでかなりドキドキしている。



「…風邪引くだろ、後でシャワーちゃんと浴びろよ。」



赤くなった顔を見られないようにしながら告げる。どうやらAは透けていることには気づいていないようだ。それ故なのか高城が目を合わせないようにしている理由が理解出来ないようだ。



『どうしたんですか高城さん？』

「…もしかして気づいてないのか？」

『何がですか？』

「…」



どうやら本当に気づいていないようだ。Aは困惑しながらシャワーを浴びに行こうとする。



「最後に1つだけ聞きたい…他の奴には会ったのか？」

『いえ、誰とも会ってないですよ。』



その言葉に高城は心の中でほっとする。急にどうしたのかと首を傾げるAに「風邪引かないうちに浴びてこい」と言い再びソファーに腰を下ろす。



「(よく耐えた…偉いぞ俺…)」



不沈艦と巷では呼ばれている高城だが好きな相手にはめっぽう弱い。

しばらくはこの状態が続くだろう。どうやって接したらいいかと、高城は1人考えていた。

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