その太陽に手が届きそう【煉獄 杏寿郎⠀】

91話 ページ43

槙寿郎「燈寿郎だけ置いて家に戻るのか？本当に燈寿郎のためになると思っているのか？」

『いえ、だけど千寿郎くんや杏寿郎さんに懐いていますし･･･いつ、彼があの家に来るとも分かりません。』

槙寿郎「なら、解決方法は1つだろう。」

『え？』

槙寿郎「我が家に来たらいい。アパートを解約して、今使ってる部屋をそのまま使えばいい。」



声も出ないほどに驚いてしまった。



解約？えっと、アパートを？

確かにこの一週間は帰ってはいなかったけど･･･

だけど、解約って･･･解約して煉獄邸に居候？
杏寿郎さんのこと好きって意識がしっかりしたのに･･･ここに居候･･･？



瑠火「まぁ･･･、Aさん、今すぐに決めなくていいのです。杏寿郎と話して決めなさい。我が家はAさんも、燈寿郎も大歓迎ですから。女性がもう1人居てくれると私が嬉しいのです。」

『瑠火さん･･･はい。杏寿郎さんにお話してみます。』



ぐるぐると考えても目が回りそうになっただけで、ちゃんと答えは出なかった。

瑠火さんが喜んでくれるなら居候も悪くないのかな･･･と一瞬揺らいだ気持ちを横に置いて、頷いた。



槙寿郎「うむ。まずはAさんの前夫との話し合いだな。･･･これを使わずに済めばいいがな。」



ゴトンと音がして槙寿郎さんの後ろから現れたのは、木刀。

いつも練習で使う竹刀ではなくて、固くて痛そうな木刀！

え？使うことがあるの？

防具無しの人間に？

警察沙汰にはならない･･･？？



『えっと、出来れば、威嚇程度でお願い致します。』



頭を下げると、またまた盛大に笑われてしまった。







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