82話 ページ34
チラリとお義父さんの顔を見れば、目を見開いて心底驚いた顔をしている。
尚志「何を・・・言って・・・」
杏寿郎「現に彼女のこの腕はその証拠と言える!」
尚志「証拠?」
『本当に・・・お義父さんは、優しい方ですね。知って欲しい時に知らないんです。」
尚志「Aさん、そんな!尚之がやったのか!!??」
サァーッと血の気の引いたお義父さんに、杏寿郎さんが歩み寄って肩にポンと手を置いた。
杏寿郎「高幡さん。申し訳ないが、この話は夜に我が家でしませんか!この後俺も、Aさんも予定がある。あなたもそうではありませんか?」
尚志「あ、あぁ・・・確かに会社が、・・・。」
杏寿郎「俺の電話番号です。息子さんも呼んでこの話にケリを付けましょう。」
尚志「あぁ・・・そうだな。Aさん、突然押し掛けて申し訳なかったね。また夜、失礼を承知でお邪魔させていただくよ。」
杏寿郎「うむ!お待ちしている!!」
ガックリと肩を落としたお義父さんは、そのまま元来た道を通って反対側の歩道へと渡って行った。
杏寿郎さんの隣に立って、そっとスーツの裾を引っ張った。
『杏寿郎さん、婚約者・・・って、』
杏寿郎「む!す、すまない!不快に感じたなら『いいえ!あの、ありがとうございます。杏寿郎さんに甘えてばっかりで、なんだか申し訳ないです。でも、不快なんてなくて、本当に・・・凄く嬉しかったです。』Aさん・・・期待していいのだろうか?」
ズイッと近づいた杏寿郎さんの顔は、いつものように両方の口端が上がっている。
その反応がなんとも可愛らしい。
『ふふっ、どうでしょう。あ!杏寿郎さん、学校!遅刻しますよ!!!』
杏寿郎「よもや!!Aさん、すまないが、走っても構わないだろうか!!失礼する!!!」
まだ何とも言っていないのに、右腕に気を遣いながらもひょいと抱き上げて、走り出した杏寿郎さん。
普段こんなに早く走っているのだろうか。
景色が次々と変わって目が回りそう・・・!!
結局病院まで送って貰って、先程のお義父さん出現の為か、渋る杏寿郎さんの背中をグイグイと、押して学校へ送り出した。
この問題はいずれ向き合わなきゃと思っていたけど、まさかこんな形で向き合うことになるなんて。
でも杏寿郎さん達がいるのなら、きっと大丈夫だと思う。
『よし!大丈夫!!』
眩しい太陽が溌剌と私を照らし、爽やかな風が私の髪を擽った。
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ayame(プロフ) - 結さん» こんばんわ、前回のコメント消してしまいすみません。千寿郎くん直し、『揺れ動き輝く髪』はこれで合っています。会社から仕事に変更してみました!校閲いつもありがとうございます! (2021年12月28日 20時) (レス) id: 4f859fede8 (このIDを非表示/違反報告)
結 - 何度も続けてのコメントですみません。 この物語では煉獄さんって学校の先生ですよね? (2021年12月27日 18時) (レス) id: 4332e38eb8 (このIDを非表示/違反報告)
結 - またまた続けてのコメントですみません...。 物語読んでいて気が付いたのですが。。。 52話のここの台詞 『煉獄さん、保育園の送迎に付き合ってもらうなんて・・・会社に遅れてしまいません?』 これ正しくは学校にではないんでしょうか? (2021年12月27日 18時) (レス) @page3 id: 4332e38eb8 (このIDを非表示/違反報告)
結 - また続けてのコメントですみません。 物語読んでいて気が付いたのですが...。 51話のここの部分 煉獄さん、千寿郎さんの稽古を見学した後 ここだけ何故千寿郎さん呼びなんでしょうか? (2021年12月27日 18時) (レス) @page2 id: 4332e38eb8 (このIDを非表示/違反報告)
結 - 続けてのコメントですみません(>_<) これ正しくは揺れ動く輝く髪と、ではないんでしょうか? (2021年12月27日 18時) (レス) id: 4332e38eb8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ayame | 作成日時:2021年11月9日 20時