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いい年頃の人間が束になって1つのモノを見ていたことに驚いたのであろう、帰ってきたマリンちゃんが近づいてきた。
「それは“ハウオリ”って宝石です。」
『はうおり？ここの辺りの言語じゃなさそうだね。』
「Aさんご名答です。私も詳しくは分かりませんが、南部の島国でのみ採れる宝石みたいで、ここまでやってくるのはとても珍しいんです。それほど高価ってわけでもありませんが、なにせ見た目が綺麗ですから、マニアは多いみたいですよ。」
南部、ねぇ。私はこの国からほとんど出たことないし、あるのは知識だけ。うらたなら知ってるかな。
真っ黒なのに、透明感があって重くない。白い宝石を黒いペンキで塗ったんじゃなくて、奥の奥まで黒い繊維が詰まったみたいに透明度が高い。すごく綺麗。集めたく成っちゃう理由が分かるなあ。
「･･･ふふっ。･････････“ハウオリ”って名前はその島国の人たちの間の愛称みたいなものみたいですよ。そっちの言葉で、“幸福”って意味みたいです。幸せになってほしい人にプレゼントするのがはやっているみたい。」
『しあわせに、なってほしいひと。』
ぼうっと浮かんだのは目の前でぽかんとしている2人を含めた4人の執事のことで、私も大概だなぁなんて思っちゃう。私はいつだって、みんなの幸せが一番なのに。私なんて守ろうとするから。
「だから、はい。Aさん。」
『え？』
マリンちゃんに手を握られて手の中に何か冷たいモノを置かれた。何だろうと思って、手を開けると、そこには丁寧に装飾されたハウオリのイヤリングがあった。
『え、えっ！！マリンちゃん！これ、私がもらっていいの！？』
「もちろん！私が石を削ってイヤリングの型も作ってはめてみました！なかなかに上手くいったとは思うんですけど、Aさんみたいな高貴な方がこんな平民の作ったもの、なんて･･･」
『そんなの関係ない！何かを作るのに身分なんて関係ないわ、身分が高くてもこんな綺麗なモノ作れないんだから。ありがとう、マリンちゃん。大切にする。』
自信なさげに揺れるマリンちゃんの瞳を離さないと言わんばかりに見つめて、目の前で手をぎゅっと握る。すごく嬉しい。
「あっ、でもこういうのって先に執事さんが見るんでしたよね、すみませ･････････ってなにしてるんですか、おふたりとも。」
「役目を取られた寂しさとお嬢の成長で･･･。」
「泣きそう。」
なぜか崩れ落ちている2人がいた。
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結月。(プロフ) - 定期的に読み返してしまうほど大好きなお話です。もう1年以上更新が止まっていますが、この作品に出会えたことが凄く嬉しかったです。素敵な作品を紡いで下さり本当にありがとうございました。大好きです。 (2023年1月8日 5時) (
レス) @page27 id: 286dc51d91 (このIDを非表示/違反報告)
ちょこ - 更新が止まってます！戻ってきてください！続き楽しみに待ってます！(´;ω;｀) (2021年7月5日 17時) (レス) id: 5ad0b4ef6a (このIDを非表示/違反報告)
さくらいろ(プロフ) - ゆっこさん» ゆっこさんコメントありがとうございます(^^)大変ゆっくりな更新で申し訳ないのですが、更新は続けていきますよで見続けてくだされば幸いです！ (2020年5月30日 16時) (レス) id: 8627590864 (このIDを非表示/違反報告)
珠菜(プロフ) - とても面白かったです！登場人物の再現だけでなく、ストーリー構成も魅力的でした。浦島坂田船の皆さんの名前を借りない一次作としても楽しめると思いました!!大好きな小説なので、是非これからも更新頑張って欲しいです。体調にはお気を付けて。応援しています。 (2020年4月24日 1時) (レス) id: 93515d92f9 (このIDを非表示/違反報告)
レイン - 続編おめでとうございます！私今年受験生なんですよ。コロナあるのに。なんでやねん！！って思いましたwこれはおいといて、まーしーがすぐに断ってないみたいなので今ハラハラしてます。抜けないよね！？って思ってます！これからも頑張ってください！ (2020年4月19日 1時) (レス) id: 05e6c43b69 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：さくらいろ | 作成日時：2020年4月7日 1時
