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長い睫毛と筋の通った綺麗な鼻筋。私よりも綺麗なんじゃないかってくらいキメの細かい真っ白な肌がなんとも羨ましい。
大人になってからこれほど近くで彼の顔を見る機会もがくんと減り、なんだか物珍しい心地のまま見続けてしまった。
すると、目の端でふっと笑う彼の姿が目に入った。
「そんなに見て、どうなさったんですか、お嬢様。」
『!!』
やだ、恥ずかしい。気づかかれてたの……!?
思わず後ずさって顔を離して、手のひらで顔を覆い尽くして俯いた。うらたに、なんでこんなにも見なれているうらたをまじまじと見てしまったんだろう。
タチが悪いのはこういう時に限って丁寧な口調に戻るところ。恥ずかしさが余計に積み重なる。
「ほらほら、文字見なくてもいいんですか?」
『い、いじわる。』
満足気に笑うと、頭をガシガシと撫でて、少し距離を置いたうらたは続きを読む用催促した。頭が完全にショートしてしまっている私は、何度も何度も訳を間違え、発音アクセントと共に出来ずに、こっぴどく叱られた。
さっきまでのいい雰囲気は何処へ。
文学的な学習が終わっても、次は実用的な会話術に移る。うらたは4人のなかでも特に発音が上手くて、
毎日ド叱られながらですけどね!!
その分理解もしやすくて、身についてるってところが文句の言えない理由よね。
「…今日はすごい静かですね、いつもよりかは。」
『いつもうるさいみたいに言わないでよ。』
「え?」
『え?違うの?みたいな顔しない!!』
ごめんと言い笑いながら頭を撫でる。うらたは頭を撫でるのが好きだ。よく坂田も撫でてる。身長の割に大きな手のひらで、ゴツゴツしてて、私は好きな手だ。それに家にいる時は手袋をしてないから、直接体温が伝わる。
それがとんでもなく安心する材料だ、なんて言ってやらない。
「明日は何がしたい?」
『外に行きたい!』
「それはしばらく禁止で。」
『えっ、えっ…』
「昨日4人で決めました。」
その会議に私も入れてよ〜!!
そんな叫びも虚しくうらたは楽しそうにまた口を開き綺麗な声で文章を読み出した。
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さくらいろ(プロフ) - over the rainさん» 応援ありがとうございました!長い間何も更新しておらずすみません…これからはちゃんと更新を続けていくつもりですのでまた見ていただけると幸いです! (2020年3月22日 22時) (レス) id: 8627590864 (このIDを非表示/違反報告)
さくらいろ(プロフ) - くらっかーさん» 応援ありがとうございました!ようやく受験が終わったのでこちらの活動の方も再開させていただきます! (2020年3月22日 22時) (レス) id: 8627590864 (このIDを非表示/違反報告)
さくらいろ(プロフ) - 舞花さん» 舞香さん、アカウント変えて気づかないかもしれませんが、リクエストの方了解致しました!私も後々やまだぬきちゃんは出演させる予定だったので参考にさせてもらいますね!ありがとうございます(*´˘`*) (2020年3月22日 22時) (レス) id: 8627590864 (このIDを非表示/違反報告)
舞花 - 受験お互い頑張りましょう!また会いに来ます! (2020年1月1日 23時) (レス) id: 957c180cee (このIDを非表示/違反報告)
over the rain - 受験勉強大変ですよね!首を長くしてお待ちしてます! (2020年1月1日 9時) (レス) id: a4bab14be1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:さくらいろ | 作成日時:2019年11月4日 0時