歌い手彼氏さんに〇〇してみた【浦島坂田船】

HAPPY BIRTHDAY ページ35

いつも忙しなく働く彼には今日くらいは羽を休めてほしいと切実に思っていたのだが…


……そりゃそうよね。


1人にはあまりに広すぎる我が家にきゅっと心が苦しくなった。



今日はうらたさんが生まれた日




彼女としては日頃の感謝も込めてめいいっぱい甘やかしたいし一緒にいたい。でも、人気者の彼には無理なようで、今日も自身のバースディライブと称して、歌い手活動をしている。




今日は大阪。昨日は名古屋。


一緒に住んでいる東京にはどれも遠くて、遠くて。




おめでとうのメッセージも打ったけど、返信なし。忙しいよね。うん。なんて自分に言い聞かせても寂しいもんは寂しくて。ましてや自分の誕生日でもないのに偉そうにヤキモチまで妬く始末。弱虫な自分がこんなに情けないと思ったことはない。





『でも、さみしいもん。早く帰ってきて。』




あなたの好きな料理も、美味しいケーキも、準備したし、要らないかもしれないけどちゃんとプレゼントも用意したんだから。





-*-





「…A〜おーい。」



肩を揺さぶられて目を覚ました。私寝ちゃってたんだ。目を腕でゴシゴシ擦って体を起こす。すると、そこに入るはずのない彼が大きなカバンを持って立っていた。



あれ？なんでうらたさんがいるの？

ゆめ？だって今日は帰らないって。




たとえ夢でも嬉しくて、思いっきり抱きついた。




「うおっ！？ ……へ？なに？」



予想外だったのか受け身の取れない彼が少し後ろによろめいた。私は無我夢中で飛びついて3日分の不足を取り戻すつもりでひっついた。



「どーした？」


『えへへっ、おかえり！！』




夢だからいつもより幾分素直になれる気がする。




「…今日早く帰ってきてよかった…。」



はやく…？



『ゆめ、じゃないの？』

「ん？夢だと思ってたからそんな素直だったの？」

『〜〜〜っ！！』



ゆめじゃ、なかった！！


顔から火が出るほど恥ずかしい気持ちでいっぱいになって、咄嗟に彼の首元に回した腕を離そうとした。が、彼がそれを許すはずもなかった。



「だーめ。今日くらい、いいだろ？」


『……しょーがないなー。』


「なんでそんな上からなんだよ。」




そう、きらきらの笑顔で返されてもう何も言えなくなっちゃった。







『うらたさん、お誕生日おめでとう』




.



大分荒い文章になってしまいましたが、


うらたさん、お誕生日おめでとうございます。

だいすきです。

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