黄色い光 3

97.人でなし ページ1

投げ飛ばされ壁に叩き付けられたクシナは抵抗も無く、ぐったりとしていて…
見ていて痛々しかった
だけどーーー



「忍の癖に忍術も使えねぇとかそれでも忍かよ？おまえ」



「ーー！あいつ……っ！」
「おい！Aーーっ！！」


黙って観戦していたいつもりだったけど、我慢の限界だった
シカクの制止の声も聞かず私は降りた


「！？」
「別に此処までやる必要ねぇべさ」
「…手ぇ離せよ」
「お得意の忍術で振りほどいて見せれば？」


トドメを刺すかのようクシナに振り降ろされた腕を掴みギンの動きを私は止めた
やりすぎだべさ…こんなこと


「はぁ？試験官も言ってただろ？最悪を想定しろって…つまりは殺っても良いってことだろ？」
「……いい性格してんなぁオメェ」
「テ…メェ…ッ！なんだ！！？」
【悪いな…うちの主が迷惑かけた…さっさと戻るぞ、A】
「……」
【そんなに剥き出しにしなくても次の相手はアイツだから安心しろ】


振り上げられた別の拳を受け流そうとしたら上からにゃん太が綺麗にギンの頭に着地した
にゃん太の制止の声に渋々聞き入れ、ギンから離れた
煮え切らないイラつきにムシャクシャしつつ、イブキくん達がいる場所に戻った


「あー、試験中の妨害は止めてください…此方としても困りますので」
「……ス、スミマセン。…分かったのかAッ！？」
「…ふんっ！」


「勝者 " 葉隠ギン "ーー！」


ミナミ先生の説教も今はどうだって良い
医療班に運ばれて行くクシナをただ心配した
傷が残らなければ良いけど…

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