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智「ぱるるさん!友歌…」
マフィア「おお!俺達がお世話になってるゾディアックグループの御息女、園智恵理嬢じゃないか!」
混戦のなか、仲間が傷つき智恵理は守れなかった悔しさと自分への怒りで歯を食いしばっていると、あるマフィアが声をかけた。
大声で智恵理の身分と名を叫び、ニヤニヤと嘘くさい笑みを浮かべる。
マフィア「あなたのお父君には感謝してるんですよ。俺達にもこの性能の良い武器を売ってくれたんです!」
マフィア「これで俺らや政府に逆らう奴らを殺すことができました。ぜひお礼をお伝え下さい!
…って、殺されたんだから無理でしたか」
マフィア「銀河中で人を殺して恨みを買ってたからな、当然だろう。自業自得、因果応報ってやつだ」
ハハハ、と笑い声が上がった。
自業自得。
因果応報。
言葉の刃が突き刺さるも智恵理は反論できなかった。事実だからだ。父親はDES軍は勿論、マフィア等の裏社会の人間だろうと武器を売ってきた。その武器で大勢の犠牲者が出ている。恨み憎しみを買って当然のことをしてきたのだ。
―――だからああなったんだ…
智恵理の脳裏に、大量の血を流して倒れる父親の姿が過る。
住民「人殺しの子め!!」
智「いっ…!」
ガツン、と頭にどこかから投げられた小石が当たり衝撃と痛みが走った。智恵理を睨んでいた住民が投げたのだ。他の住民も道に落ちている小石や空き缶を拾い投げつけるが、智恵理のキララがシールドを発動させ主人を守る。
住民「ずっと応援してたのに、なのに裏切りやがって!お前がゾディアックの令嬢だと知ってたら推したりしなかった!」
住民「あんたの父親の武器で私の親は殺された!そのせいでスラムに行くしかなかったのよ!他にもたくさんの人が殺されてる!なのにあんたはよりにもよって00になって、のうのうと生きてるなんて許さない!!」
住民「00から出てけ!!この恥さらしがぁ!!」
避難途中だった男性、幼い少女、老人等の住民に罵倒され、憎悪を浴びる智恵理は今にも倒れそうなほど顔が蒼白し、大勢に罵倒される恐怖と悲しみから体が震える。
父親のことで責められる覚悟はしていたつもりだったが、それは甘いものだったと思い知らされる。実際に憎しみをぶつけられ、鋭く睨みつけられて、今すぐ泣いて逃げたくなるほど辛くて手を握りしめた。
智(お父様のせいで……
お父様のせいでたくさんの人が悲しい思いをした…
なんでこんなことができたの…!?)
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作者名:空 | 作者ホームページ:http://id38.fm-p.jp/213/7772010/
作成日時:2023年8月10日 19時