【00×マクロスΔ】虹色の歌姫・８ (ページ2)

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ツバサが話す途中で『ゆいはんチーム帰還しました！』と言う声がA達にも聞こえてきた。するとツバサは一気に緊張感を漂わせ、横を向く。オペレーターに視線を向けた。
その様子に何かあったのかとA達は不安そうな顔をする。

オペ『9代目きたりえは手術室に運びすでに手術中です。他の負傷したメンバーも医務室で治療を受けています』

ツ『わかったわ。
―――皆、きたりえは鎮圧ライブ中に地元マフィアに襲われ撃たれたの。命に別状はないわ。けどしばらくの間ライブには出られないわね』

瑞「そんな…」

彼「マフィアがセイレーン化してしまったんですか…」

ツ『違うわ』

はっきり否定され皆がえ？、と、不思議そうな顔をする。
鈴子はそれを聞き冷静に考え、まさか、と口にする。彼女の横に立つAも同じことを思っていた。

A「自分の意志で襲ってきた、てことか」

鈴「捕まえてDESに引き渡そうと…？」

ツ『そのようよ。
セイレーン化したのは一般人の少年と成人男性全10名。けどただの一般人じゃなくて、スラムに住むいわゆる不良ね。元々持っていた銃で無差別に周りの人達に撃ってきたわ。
セイレーン症候群が起きて大半は逃げていったけど、マフィアや一部の住民はゆいはん達とWOTAが避難を要請しても聞き入れてくれなかったの。00がセイレーン化を起こしていると思い込んでライブの邪魔をしてきたわ。
特にマフィアはカジノのお客に政府関係者がいることがあって、00を捕まえようと襲ってきて……』

小声で喋るA、鈴子の会話を聞いたツバサが頷き説明する。
すると、途中から足音が複数響いてきた。皆が振り向くとこちらにゆいはんチームメンバーが歩いてくる。きたりえ、ゆいはん、ぱるる、友歌がいない。
彼女達は皆暗い顔をしていて、ひどく疲れが顔に出ているし衣装も汚れたりしていた。何人か腕や足に擦り傷を負っている。

一番最後に来た智恵理の俯き顔を見た凪沙は目を見開き、はっと息を飲んだ。
ひどく暗い顔色で、絶望したような、強いショックを受けたような顔をしていたからだ。

凪「智恵理…！」

凪沙はすぐ智恵理に駆け寄り、大丈夫かと聞きそうになってやめた。智恵理の目の周りが少し赤いのに気づく。泣いたようだ。あのクールでしっかり者の智恵理がだ。よほどのことがあったに違いない。

凪沙は黙り込むが、強い視線を感じてそちらを見る。
らぶたんがいた。ひどく怒った様子で、凪沙の隣に立つ智恵理を睨んでいる。