のぞむくん【d!】【zm】 (ページ5)

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のぞむ視点

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おれが中一くらいの頃に、両親が離婚した。原因は不倫、それも二人ともの。
ここまで来ると逆に仲が良い様に思えたが、両親はそうは思わなかったようで。
おれは結局収入が安定してるからという理由で父親の方に引き取られた。

それからというもの、あまり日常に変わりは無くおれはそのまま高校へ入学した。
彼女は、何だかつくる気にならなかったが友達はそれなりに居た。毎日の様にバカやって、程よい幸せに浸っていて…おれは一生このままなのか、と思っていた

ある日。

「父さん、再婚するから」
「…………あぁ……、…ハイ。」

自分が作った晩飯の上で告げられた、おれにとっては些細なその一言。

そんな些細と思う一言が、おれを狂わせたのだ。

＿＿
＿

父さんの再婚相手の女性には娘さんが居るらしく、二人はそのまま前住んでいた家からこちらの家に越す事になった。
母さんが出て行ってて無駄に広くなった家に人が来るのは少し好都合だと思えた。

『ぁ…えっと…A…A、です！小学6年、です…』

ただ純粋に、｢かわいい子やな｣とか｢男の子にモテそう｣とか思うだけやった。

基本静かだけど接してみれば愛想も物分りも良い子で、おれはAに｢家族｣としての好意を持っていたと思う。

部活をサボって家に帰りAの勉強を見てやった事もあったし、あまり高価なもので無かったが物だって与えた。

｢あの子と仲良くしてあげてね、希くん｣

義母も、

｢希、Aちゃんと仲良くするんだぞ｣

父さんも

｢…わかっとるよ。｣

｢じゃあ、父さん達出かけてくるから｣

きっとAの事をさほど愛していないだろう。

愛しているのは

おれだけ。