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説得と31日目 ページ32

倒れている谷裂の横に立ちすくんでる女の子に話しかける。

「ねぇ君、名前はなんて言うの?」
『…高梨 あかり…』

高梨あかり…。私は日記の表紙を見た。そこにはちゃんと名前が書いてあり、この子の名前と同じ。

『お姉さんたち誰?』
「この人達は獄卒。…私は元獄卒、かな。」

獄卒が良く分からないのか首を傾げている。そんな事はどうでもいい。

「そこの人、返してもらえないかな…?」

そう言うとあかりちゃんは首を横に振った。

「私達はあなたを傷付けたくないんだ。…どうして返してくれないの?」
『この人…私の作った物をくだらないって言ったの…他の人と同じ…だから殺すの…』

あぁ…これは完全に谷裂が悪いな…。
さてどうするか。

「はぁ…まったくこいつは…」
『!?』

私は谷裂の元まで行くとひと蹴り。そして女の子の目線に合わせるように屈んだ。

「ごめんね?その事は私の方から言っとくよ。それと…私もあなたの作品見たんだ。」

そう言うとあかりちゃんはビクッと怯えた表情になった。きっとくだらない、とか下手くそだとか言われるのが怖いんだろう。

「私ね、あなたの作品大好きよ。心がこもってて…とっても繊細だった。そんな怯えることじゃないよ。もっと自信持って良いの。」
『うっぁ…で、も…周りの人は…!』

あかりちゃんの言葉を遮るように言葉を発したのは木舌だった。

「おれもあかりちゃんの作品見たよ。」

少しずつ近づきながら話し続ける。

「周りの人なんかどうでもいいんだよ。あかりちゃんが作りたいような作品を作ればいい。みんながあかりちゃんに色々言うのはちょっとヤキモチ焼いただけなんだよ。」

そう言うと頭を撫でてあげる。
さて、そろそろ谷裂も回復してきただろう。

「よしっ!じゃあみんな一緒に向こう戻って美術室行こう!」

私のその言葉にみんな驚いていた。

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ふぇいと(プロフ) - 完結おめでとうございます!とても楽しませてもらいました(*^_^*) 後日談とか、ちょっと気になります…! (2015年4月27日 23時) (レス) id: 48c9001d5f (このIDを非表示/違反報告)
レイチェル(プロフ) - いつもみています! 他の作品も良く見てますっ! これからも頑張ってください><// (2015年4月16日 22時) (レス) id: 8ea63b7472 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ちょこめろんぱん。 | 作成日時:2015年3月20日 0時

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