白猫少女。【転生したらスライムだった件】

弐 ページ24

走り続ける僕は昔の事を思い出していた。

民衆から『偽ノ娘(イツワリノムスメ)』と呼ばれた北の地方の王国の王女時代。

僕が「浄化」したのは影でコソコソ不正を行っていた者だけ。そういう奴らは外面は良いからいつも糾弾されるのは僕。

いかにも悪い奴らはたっぷり泳がせてから──

──思いっきり、心を折って殺す。それが正しい方法。

最後は革命を起こした民衆に殺されたけど。

良き理解者であり、幼馴染みであった親しいメイドと召使いも死んでしまった。


暗殺者時代の罪を償う為に修道院に入った南の地方の共和国の修道女(シスター)時代。

やっと罪を償いきったと思ったら修道院に攻め込んできた新興宗教と言う名のトチ狂った集団との戦いで死んだけど。

修道院の孤児たちも沢山死んでしまった。


(･･･嫌だな)

僕は何度も繰り返す。

そのたびに大切な人は死んで、僕も惨めに死ぬ。

また今回も大切な人を救えない。

もう嫌だな。

･･･そう言えば、あの人達は一体何者だったんだろう。

多分僕より1つか2つ、年上の人。

「これで大丈夫だよ」って言って、不思議な魔法をかけてくれた。確か──『消滅転生』。

忌み子としての運命から解放されて、前世の記憶を持つのも、来世で終われるって。

本当かな、なんて首を傾げつつも僕は彼女を背負って走り続けて･･･いた。

背中を走る鋭い痛み。

何かが腹を突っ切っていった。

多分これは･･･新しく開発された銃弾。かなり貫通力は強いのだろう。

僕は彼女を背負っていて、しかも僕も彼女も薄くてボロボロと言えども、服は着ていた。

でも、これで終われるなら。

だったら良いや、なんて。

15　･･･え？→←壱

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