【歌い手】歌いながらお絵かきさせてもらってます【ネタい手】

8 ページ14

生放送を終えて、牛丼の器を片付ける。

アンチが出てきた･･･ってことはある程度知名度が上がったということなのだろうか？

･･･いやいやまさかねw

「･･･あ」

「･･･ぁ」

部屋から出るとまふまふさんと鉢合わせした。

本人も思いがけない遭遇だったらしく、あわあわしている。(語彙力)

「･･･あの、ごめんなさい！」

「え!?いきなり!?」

どうすればいいのか分からなかったので、とりあえず謝っておいた。

何をしようとしたのか忘れたので、玄関の扉を開け、なんとなくポストを確認すると水色や黄色といったふわふわした色の便箋が入っていた。

裏返して見ると、『五月雨A様 五月雨深月』と書かれていた。

「あー、深月かぁ･･･」

「･･･んー？あぁ、深月ちゃん？元気にしてる？」

いつの間にやら紗良が背後に居たので、とりあえず頷いておく。

深月は私の妹で、絵を描くことと歌うことが好きな中学生だ。開けてみると写真が二枚入っていた。

1枚目は楽譜らしきものの写真。２枚目は和服っぽいのを着た少女の写真。

家の中に入って本文を読んでみると、1枚目の写真は合唱部で練習しているという「あんたがたどこさ」の楽譜だった。

なんでも、ソプラノ、メゾ、アルトで繰り返し代わる代わる歌うところで「煮て煮て･･･」や「焼いて焼いて･･･」が続くらしい。

そしてソプラノとアルトの伸ばすところでメゾが入り、「食って食って食って食って食って食って･･･」となり、『どんだけ食うんだよw』という話になったらしい。

設定･･･というか聞いた感じだと猟師は１人っぽい気がするので、一体何匹狸を狩ったのだろうか。

恐ろしい。環境破壊だ←

２枚目の和服を着た少女は、いとこの紫野沙幸──ユカリノ サチ──だった。

未だにコスプレ癖は抜けていないらしく、更にまだ不登校を続けているらしい。

が、どういう訳かmixの技術を身につけたんだそうだ。

どういうことだよ。

色々と突っ込みどころのある内容の手紙(近況報告)だった。

9→←7(生放送)

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す