694話 ページ50
『……………』
灰となって消えて行った雪希さんを見ながら、少し考える。
…もし僕が、何か違うことをしていたら…何かが違った?
もっと気にかけていれば…声を掛けていれば…何かが…
桜花「ダメだよ、A。」
僕の肩に手を置き、そう言うおうちゃん。
桜花「…雪希ちゃんの気持ちを侮辱することになるからね。
あの時こうしていれば、ああすれば、そういうのは…考えないでね。」
『…おうちゃん、』
桜花「最後に謝って…感謝を伝えていったことを、忘れてはいけないよ。」
…うん、そうだね。
『忘れないよ、絶対。』
…僕は無神論者だ。
あの世なんてない、来世も何もない。
そう思っていたけど…案外そうでもないのも知っている。
…そう思えば…雪希さんといずれ再会出来るかもしれないと思える。
『…おうちゃん。』
桜花「…何?」
『…やっぱり僕にとって、「空」は大切だよ。』
そう言うと、一瞬だけ目を見開いてから…おうちゃんは、笑った。
『…大空も、虹も、雲も…雪も、全部全部っ…大切だよ…!!』
大切な存在を自らの手で殺した。
この罪は一生消えない…消すつもりもない。
ずっとずっと…背負い続けて、その人達の分も…生きると決めた。
桜花「…そうだね、みんなみんな大切だよ。」
…雪希さんの身体が、最後まで握り締めていたのは…初めて一緒に遊びに行った時、一緒に買ったブレスレットだった。
僕、おうちゃん、雪希さんで…色違いのお揃いを…買った時のもの。
それを拾い…きゅ、と抱き締める。
『…持たせてね。』
あなたのことを…忘れないために。
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みんみん - 泣きそうになりました。とても面白いです! (2019年10月21日 18時) (レス) id: b8b42f9334 (このIDを非表示/違反報告)
見列鬼 - やばい泣いた…(/ _ ; )感動しました。 主人公と桜花ちゃんと雪希さん、来世は仲良くなれるといいですね… 私もこんな作品作ってみたい (2019年10月21日 15時) (レス) id: ea39a5038c (このIDを非表示/違反報告)
雪だるま - やばい!!気になりすぎる! 語彙力が… (2019年10月21日 9時) (レス) id: 85f066d48f (このIDを非表示/違反報告)
綾織 - 血気術!?まさか、鬼になった、とか…?いや、最近鬼舞辻さんにあってないのにそんな事…続きがきになる!! (2019年10月21日 6時) (レス) id: 68bb132a93 (このIDを非表示/違反報告)
kusune(プロフ) - 血気術…!?とても楽しみにしています!頑張ってください! (2019年10月21日 6時) (レス) id: 8029859771 (このIDを非表示/違反報告)
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