688話 雪希side ページ44
雪希「…こんな感じなんだね。」
自分の離れた身体を見ながら、静かに呟く。
…鬼は頸を斬られたらすぐに死ぬと思ってたけど…案外意識があるものなんだなぁ。
『…そうだね、わかったかな…鬼が悲しい生き物だ、ってこと。』
私の頸の隣に座り込んだAさんは、私にそう声をかける。
雪希「…気付くのが遅すぎたなぁ。」
あれだけ言っておいて、今気が付くなんてね。
雪希「…私はね、元の世界であなたが愛されているのを見るのが辛かった。
…それと同時に、凄く嬉しかったんだ…あなたのことが、とても好きだったから。
ほんとに最初は大好きで…その気持ちでいっぱいだったんだよ。」
『…そっか。』
そう言ったAさんは、私の頸を自分の膝に乗せて…顔を自分の方に向ける。
雪希「…みんなに愛されているあなたが羨ましかった、そんなあなたが憧れだった。
だから声を掛けた時…答えてくれた時、凄く嬉しくて。
…なのに私は…くだらない嫉妬で悪女に成り果てて、あなたを…あなた達家族を、傷付けるだけになってしまった。」
…今更こんな独白しても、何も変わらないのにね。
雪希「…一度そう成り果ててしまってからは、引き返すことが出来なかった。
あなたの妙な噂を立て…彼女にいじめられていると嘘を吐き…人を傷付け、悲しめ…殺すだけの…人でありながら、化物なのは私だったんだろうね。」
自覚はあったのに…何でこんなことをしたんだろう。
雪希「…馬鹿だなぁ、私。」
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みんみん - 泣きそうになりました。とても面白いです！ (2019年10月21日 18時) (
レス) id: b8b42f9334 (このIDを非表示/違反報告)
見列鬼 - やばい泣いた…(/ _ ; )感動しました。 主人公と桜花ちゃんと雪希さん、来世は仲良くなれるといいですね… 私もこんな作品作ってみたい (2019年10月21日 15時) (レス) id: ea39a5038c (このIDを非表示/違反報告)
雪だるま - やばい！！気になりすぎる！ 語彙力が… (2019年10月21日 9時) (レス) id: 85f066d48f (このIDを非表示/違反報告)
綾織 - 血気術！？まさか、鬼になった、とか…？いや、最近鬼舞辻さんにあってないのにそんな事…続きがきになる！！ (2019年10月21日 6時) (レス) id: 68bb132a93 (このIDを非表示/違反報告)
kusune(プロフ) - 血気術…！？とても楽しみにしています！頑張ってください！ (2019年10月21日 6時) (レス) id: 8029859771 (このIDを非表示/違反報告)
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