689話 雪希side ページ45
『…そうだね、ほんと…あなたは馬鹿だ。』
雪希「あはは、慈悲もないや。」
…嘘だよ、分かってる。
慈悲がなくて言ってるわけじゃないよね。
だからあなたは…今にも泣き出しそうな顔をしているんだ。
私が何をしても泣かなかったあなたが…今、泣きそうだ。
『…声を掛けてくれた時、ほんとのほんとに嬉しかった。
あなたが来る直前に私はとても大切な人を失っていて…苦しくて仕方なくて。
…代わりにはならなかったし、するつもりもなかった…だけど、僕はあなたに救われた。
あなたが声を掛けてくれた時…少しだけ、前を向けた気がしたんだ。
家族との仲だけに留まって、他の人には普通の態度を取りながらも心を許すことは出来ず…そんな日々から、あなたが救い出してくれた。』
…何言ってるの、私はそんなに大層な存在じゃないよ。
『僕が家族を愛して止まなかったのはね…血の繋がりがある方の家族に嫌われ、捨てられていたから。
だからこそ、“家族”に縋ってしまっていて…他も見なければ、現実を見なければいけないのは知っていた。
ずっと心に作った扉の向こうにいた…その扉を叩いてくれた…そんな感じがしていた。』
…やめて、やめてよ…
『…僕の中の雪は、あなただったよ。』
…家族に、大切な人に使う「空」を、私に使わないでよ…。
雪希「…やめてよ、ほんと。」
『…ごめん。』
涙が零れるのを感じる。
雪希「…後悔、しちゃうじゃんか。」
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みんみん - 泣きそうになりました。とても面白いです! (2019年10月21日 18時) (レス) id: b8b42f9334 (このIDを非表示/違反報告)
見列鬼 - やばい泣いた…(/ _ ; )感動しました。 主人公と桜花ちゃんと雪希さん、来世は仲良くなれるといいですね… 私もこんな作品作ってみたい (2019年10月21日 15時) (レス) id: ea39a5038c (このIDを非表示/違反報告)
雪だるま - やばい!!気になりすぎる! 語彙力が… (2019年10月21日 9時) (レス) id: 85f066d48f (このIDを非表示/違反報告)
綾織 - 血気術!?まさか、鬼になった、とか…?いや、最近鬼舞辻さんにあってないのにそんな事…続きがきになる!! (2019年10月21日 6時) (レス) id: 68bb132a93 (このIDを非表示/違反報告)
kusune(プロフ) - 血気術…!?とても楽しみにしています!頑張ってください! (2019年10月21日 6時) (レス) id: 8029859771 (このIDを非表示/違反報告)
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