呼吸使いの魔法学園生活４

171話 ページ27

『サバナクロー自体に来たのは初めてかもしれないなぁ』

善逸「ファルさん？何処見てるの？凄く遠くを見てない？其方誰も居ないよ？」

『遠い目してないとやってられないんだよ…しんどい…何で来てくれなかったのネーロ…しのぶ…』



ネーロとしのぶはサバナクローに行く気はないと断固拒否して来てくれなかった。

しのぶは毛の生えている動物は元々好かないので、とか言ってたし仕方ないかもしれない。

でもネーロ…俺もう眠いって言って寮に戻るの何…良いじゃんどうせ帰る所は同じなんだから待っててくれても…酷いよファルさん泣いちゃうよ…。



善逸「何かごめんね！？」

『善逸くんは悪くないんだよ、悪いのはこの寮の寮長ととあるハイエナだから…』

善逸「相変わらずトラブルメーカーだってことだけは分かった」

『トラブルメーカーは桜愛ちゃんでしょ…』

善逸「Aさんも桜愛さんに負けないくらい、って言うか勝っちゃってるくらいにはトラブルメーカーだったよ。え、まさか自覚ない？嘘でしょ？？」

『君本当に遠慮ないな』



自覚はありますよ、ありますとも。知ってますよ。

でもそんなにはっきり言う必要ある？泣くよ？泣いちゃうよ？



『…取り敢えず近くの人に声でもかけるか…』

善逸「…ねぇAさん」

『ん？』

善逸「俺この寮なの？嫌なんだけど…さっきからこそこそ嫌なこと言われてるし…」



…この寮は確かに不良のような人達が沢山居る。

耳が良く、色々聞こえてしまう善逸くんには酷かもしれないな。

…でも商売の話をしているオクタヴィネルよかマシではないか、なんてことを考えてしまう辺り僕はオクタヴィネルに偏見を持っているな。

て言うか善逸くん、フロイドさん苦手だし…。



『うーん、まあ此処本当に嫌な人は居ない…はず、だよ。あーでもいじめっぽいのはあるのか…』

善逸「は！？何それ！？俺確実に標的になるじゃん！？」

『標的は多分クルークさんだし…気にしなくて良いと思うけど…』

善逸「悪口とか聞こえるのも嫌なのに…」



眉間に皺を寄せている辺り、何を言われているかは分からないが良いことではないのが分かる。

まあ多分僕とか最近は生意気な奴って感じだろうし、色々言われていてもおかしくはないだろうけど。



『まあ本気で酷かったらうちおいで、寮長には話つけてあげる』

善逸「取り敢えずは頑張る…けど、その時はよろしく」

『うん、良いよ』



優しいから嫌なんだよね、きっと。

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