92話 ページ46
『…あの』
普段なら僕から声を掛けるなんて有り得ないことだ。
でも、僕は彼に声を掛けていた。
…元剣士の血が疼いたのだろうか…と言ったら厨二臭いかもしれないが。
シルバー「どうした？」
『もし良ければ、なんですけど。…手合わせ、お願い出来ませんか』
目の前に剣士が居るのならば手合わせ願ってしまうものだろう。
僕の言葉を聞いたシルバーさんは、少しだけ驚いた顔をしてから考える仕草をする。
やっぱりダメだったか…
シルバー「今はこれしか持っていないからな…直接やれば、お前に怪我をさせてしまうかもしれない」
…そう言うことか。
つまりこの人は…“僕に怪我をさせてしまうかもしれない”と思っているわけだ。
…そうかそうか、そう思うと…何だか少し、笑えてしまう。
『お気になさらず、僕の怪我の心配は無用です。…あなたの方が怪我をしてしまうかもしれませんが』
シルバー「随分と自信があるんだな、その腕前見てみたいものだが…」
『是非。峰打ちにしますから』
峰打ちの意味が分からないのか首を傾げる。
そんなシルバーさんに刀を見せ刃とは逆の方に自らの腕を滑らせる。
傷が出来なかったのを見たために理解したのか、少し頷く。
シルバー「…俺は寸止めにする」
『ありがとうございます、まあ心配しなくても大丈夫ですけど』
そう言いながら刀を構える。
…と言っても、しまってある刀に手をかけているだけだけど。
剣を構えるシルバーさんと様子を見合う。
どのタイミングで来るか、それが分かれば…
シルバー「…行くぞ」
『…、』
頷けば、かかってくる。
…どのタイミングで行けば、“相手の頸を確実に取れるか”、少しも隙を見せずに、寸分狂わず、目安を決め───
シュッ
一瞬。
…瞬きの間もあれば、鬼ほどの速さはない人の頸を狙うことなどは容易く。
間合いに入った僕は、シルバーさんの首元に刀を優しく当てた。
勿論峰打ちで、ね。
シルバー「…俺の負けだ」
『…シルバーさん、本当に剣術がお上手なんですね』
シルバー「今手合わせに勝った奴に言われると…な」
静かに離れ、刀をしまい会話をする。
本当に上手だった。
この“鬼の居ない平和な世界”の住人だとは思えないほど。
あの世界のあの時代に居たらとても期待されていただろう。
シルバー「次は俺から誘っても良いか」
『是非』
シルバー「次は俺が勝つ」
『次も僕が勝ちますよ』
負けたりは、しないさ。
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ゆるる(プロフ) - こんばんは、お答えしていただきありがとうございます！単行本派故にご迷惑おかけしてすみません…。把握致しました。本誌枠を読み終わり次第再びこの素敵な作品に是非立ち寄らせて頂きたいので残しておいて頂けますと幸いです！これからも応援しております！ (2020年6月17日 23時) (
レス) id: 8e2c0af2a9 (このIDを非表示/違反報告)
ゆきな(プロフ) - 「…なぁに言ってるのぉ？俺ジェイドじゃなくてフロイドだよぉ〜」()「何故分かったのです？目の色を変えて髪も逆にしてアズールも見分けられなかったのに」ってなりそう←。ガチフロイドやったら絞められてるはず… (2020年6月17日 22時) (レス) id: e7791cc44f (このIDを非表示/違反報告)
クローバー(プロフ) - 虹希さん» まさか作者様のお気に入りだったとは…！好みが似てるんですね！応援してます！！ (2020年6月17日 20時) (レス) id: 7ea079127e (このIDを非表示/違反報告)
虹希(プロフ) - クローバーさん» コメントありがとうございます！わああありがとうございます！ネーロ個人的にお気に入りなのでそう言っていただけると嬉しいです！！ありがとうございます〜頑張ります！！ (2020年6月17日 20時) (レス) id: d8253c3587 (このIDを非表示/違反報告)
クローバー(プロフ) - ネーロに惚れました。なんですか！？なんであんなにカッコイイんですか！？私の好みどストライクですよ！！これからも更新頑張ってくださいね！！ (2020年6月17日 18時) (レス) id: 7ea079127e (このIDを非表示/違反報告)
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