雨柱の癸さん肆

143話 ページ5

「おい！！！！！！」



『ひえっ』



急にとんでもない大声が聞こえたと同時に、突然肩を掴まれて何かと思いながら目を向けると、猪くんが凄い形相で僕を見ていてめちゃくちゃ驚く。



いやなになになになに。



嘴平「お前今変な男に絡まれてただろ！！大丈夫かよ！！」



…変な男…変な男？



『…ああ、少年か…平気だよ、すぐに払ったしね。』



嘴平「…なら良いけどよ。」



心配そうにそう言う猪くんの頭を軽く撫でる。



『そんなに心配しなくても大丈夫だよ、ありがとう猪くん。』



そう言うと、小声で「ほわほわ…」と言っているのが聞こえる。



…可愛いかよ(頭抱え)



嘴平「そうだ！！その呼び方やめろよ！！」



『えっ何急に。』



嘴平「俺は猪くんじゃなくて嘴平伊之助だからな！」



それドヤ顔で言うことじゃないからね！？()



そう思いながらも、名前で呼ぶのが苦手な僕的には少し困ってしまって。



どうしようかなぁ、と思っていると、僕の手を掴む。



『…何？』



嘴平「名前で呼ぶまで離してやんねぇぞ！」



『可愛いんだけど離して欲しくないから呼ばないって言ったら？』



嘴平「は！？………え、えっと…」



『可愛いなおい…』



そうすると、ぎゅっと手を握りながら言ってくる。



嘴平「よ、呼べよ…呼んでくんねぇのかよ…」



…少しずつ語尾になっていく度に声が小さくなっていく。



その途端にその場にしゃがみ込む。



嘴平「！？おい！？」



『可愛さにヤラれただけだから心配しないで…』



マジ可愛い…

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