雨柱の癸さん肆

160話 ページ23

『…強面さんってほんっと、強情ですよねぇ』



不死川「あ？」



苦しそうに下を向く玄弥くんを見ていると、心が苦しくなった。



口を開けば、そんな良くない態度で僕のことを見てくる不死川さん。



『本当は、大切で大切で仕方ないのに…そう言う態度を取ることが、最善だと思って…それを通す。

馬鹿で馬鹿で…自分一人で背負い込めるものなんてないのに…一人で全部背負い込もうとして…』



嗚呼、そうだ…やっと分かった。



言うことはあの人みたいなのに…本来の所は、まるで帆兄みたいなんだ。



『じゃあいいもん！弟くんは僕の弟にしてやる！』



不死川兄弟「……………は？」



『行こうか弟くん！こんな冷たい人放っておこう！

これからは僕のこと兄弟だと思えばいいですから！全く！』



玄弥「い、いやいや！何言ってんだよ！」



『良いんですよ！血の繋がりだけが、家族じゃないんだから…！』



分かってるよ、血の繋がりの前で…僕なんて、必要ないってことくらい。



玄弥「悪いけど！！」



分かってるから、早く仲直りしなよ。



玄弥「俺の兄貴は、兄貴だけだから！！」



不死川「……………」



もう、良いから早くしてってば。



家族が仲良くあってくれるのを見るのが…僕にとっては、一番嬉しいことなんだから。



僕にはなかった、血の繋がりのある家族との絆…それをみるのが、こんなに幸せな気持ちになれるなんてね。



『最高の絆だね、』



僕も、本当の家族と…そのくらいの絆を、繋いでいたかった。

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