雨柱の癸さん肆

159話 ページ22

『強面さん！！！！！』



不死川「うるせえよそんなに大声で呼ばなくても聞こえてんだよォ！！」



そう言いながら、玄弥くんを連れた僕を見た不死川さんは、一瞬驚いた顔をしたあと目を逸らした。



不死川「…おい、何一般隊士連れてんだよ」



『一般隊士で言ったら赤髪くん達もでしょ？

それにこの子は、一般隊士ってだけじゃない…って、そのくらい強面さんが一番よく知ってますよねっ！』



にこりと笑顔を浮かべながら不死川さんの顔の向いている方へと入り込む。



まあ面で隠れてるからにこりとかしてても分かってもらえないんですけどね(真顔)



不死川「知らねェ」



玄弥「っ…あ、兄貴、」



不死川「俺に弟なんて居ねェ」



兄貴、と呼んだ玄弥くんを思い切り睨み付けながらそう言う。



弟であるのに、違うと言われた彼は…今、どんな気持ちをしているのだろうか。



それがどんな理由であれ、家族であるのに違うと言われたら、とても辛いものなのに。



玄弥「兄貴！俺…」



不死川「居ねェって言ってんだろォ！！…今すぐ消えろ」



血の繋がりはなかったけど、僕には帆兄以外にも兄が居た。



雪希さんが理由で離れて行ってしまった家族が居たから。



仲は良かったよ、よく巫山戯あってた…それが毎日の楽しみだった。



人のことをよく考えられる、優しい兄だった。



それて、その兄に…言われたことが、あるんだ。



とても冷めた目で…僕の心に突き刺さる瞳を向けて…僕とおうちゃんに向かって、言ったんだ。



不死川「お前は…」



お前はもう…



不死川「俺の弟じゃねェ」



俺の妹じゃない

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