運命を捻じ曲げろ。弐

初任務の話。伍 ページ7

「私は男を喰うだけなのに、どうして女を殺さないといけないの？

分からない分からない分からない…鬼殺隊だってずっと男ばかりだったのに。

だから迷わず殺すことが出来たのに…どうして女なの、どうして女を送ってくるの、酷いよ殺したくない殺したくないのに…。」



一人で自問自答するようにそう言いながら、殺傷力のある木々花々を操り襲わせる。



『人を喰っているのなら、例えそれが男でも女でもいずれは鬼殺隊に殺されてしまうものなんだよ、あなたに何があったかとかは知らないけど…ごめんね。』



僕も出来るものなら殺したくだなんてない。



自分を殺したくない、って言っている相手を殺すなんて心が痛すぎるよ。



「どうして…どうしてかな、私は…私はっ…！！」



…ああ、悲しい、悲しいね、



『ごめんね…』



そう言いながら刀を構える。



光尊「その構えは…」



放つ技により、僕の構えは変わる。



そして…目の色も、変わるらしい。



自分で自分の目を見たことはないから分からないけど、そうなんだと光尊さんから聞いた。



『…全集中、神の呼吸。』



木々花々が相手なら、



『火の神“木花咲耶姫”。』



全て燃やし尽くしてしまえば良い。



「あ…ああぁ…私の、私の花が…木がっ…！！」



そう言いながら崩れるようにその場に座り込み、顔を覆って涙を流す。



…鬼を狩るのは、こんなに苦しいことなのか。



『…鬼は、悲しい生き物、なのに、』



光尊(…Aは優しすぎるのに、最初にこの鬼は辛すぎるよね…。)



…何故、こんなことをしているのだろうか。

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