モブ人生返せ。

モブ人生 ページ1

「家族を殺されたら、その復讐のため」



「人を守りたいから」



「だから鬼を殺す」



とか僕は言わない。



正直事故に遭ってトリップしてきた時は純粋に詰んだと思ったし、どうせなら主人公達近くで見たい…！とも思いはした。



だけど僕はあれなんだよね、特に何かあるわけでもない極平凡な人間なわけですよ。



だから夜にしっかり戸締まりして外に出ないで、ってやっておけばこのかなりの確率で死ぬかもしれない世界でも生き残れるような気がしたわけですよ。



それ思いついた瞬間「うっへぇ僕天才！？」とか言ったからもう僕はその頃には既に頭がおかしく…っていうか前の世界からおかしかったんだろうね、うん。



でもまあそれで良いやって思い始めて案の定生きていられるようになってから…早一年ほど。



僕は望んだ通りのモブ人生を送れていた。



え？何か過去形じゃないかって？



だって、ねぇ…



「おい、聞いているのか。」



今僕の目の前には、僕のトリップしてきた「鬼滅の刃」の世界の敵の親玉、「鬼舞辻無惨」が居るからさ。



何がどうなってこうなったか、本当に理解出来ないんだけど。



何でだっけ？？

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