階級・甲の癸さん拾壱

504話 ページ46

煌「本当に嫌な悪夢だったの？」



突然聞いてくる煌先輩は、いつもと変わらない笑顔で。



『…え？』



煌「…嫌な所が見えるAちゃんには…必ず、その人達の良い所も見えてるでしょ？」



…煌先輩…



煌「ほら、思い出してみて。」



空を見上げる煌先輩と同じように、空を見上げて…思い出す。



『…赤髪くんは、何となく抜けてる所があって…それでいつも困ったりもしたけど、本当はずっと人のことを見ていて…言って欲しいことを言ってくれる。

金髪くんは、女の人好きで目がなくて、でも本当は凄く優しくて…自分に自信がなくて、何も出来ないからってわざわざ聞いてまで人のためになろうとする。

猪くんは、猪突猛進って言うように、何かと突っ込んでは来るし勝負吹っ掛けて来るし…でも実はかなり人のことを見ていて、人の苦しみに気付ける。

お姉さんは、本当に威圧的で、何回か泣きそうになったけど…人のことを心配出来て、誰かのために悲しむことの出来る…素敵な心の持ち主。

お兄さんは、人を可哀想とか平気で言っちゃうけど、実は周りのことをしっかり見て、それでいて行動の出来る…僕のことも、かなり気にしてくれていた。

小石さんは、何故かいつも会う度に酷い毒を吐いてきて…でも僕が女って気付いてた人で、周りを見る目があって、凄く優しくて…それを出せない不器用な人。

桜餅さんは、本当によく食べて…僕のことも何かと巻き込むし、そのせいで困ることはあったけど…僕だろうと誰だろうと、分け隔てなく関われる。

派手派手さんは、派手なことが好きで何かと派手にやらかしちゃって…でも本当は、その派手さで人を惹き付ける力のあるようで…そして人を見ている。

炎柱さんは、食べれないって言ってるのに食べさせてくるし…でもそれも優しさで、食べれば元気が出るとでも思っているのかもしれない…人に元気をさせることが出来る。

強面さんは、敵には容赦ないし仕事のことになるとほんと怖いし肋折るし…でも後々それを後悔して、わざわざ謝ってくれたり、おはぎを食べさせて元気づけてくれる。』



…気付けば、沢山言葉が出てきていて。

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