階級・甲の癸さん弐

58話 ページ12

累「…本当に？」



『本当本当！約束ですから！』



そう言うと、無意識なのかは分からないけど、少しだけ微笑む累くん。



累「そっか…家族には、どうしたらなってくれる？」



『…んー…君が人を喰わなくなり、殺さなくなり、傷付けなくなり…人を救うような存在になれば、家族になってあげても良いですよ。』



十二鬼月である彼にはこれは無理難題なんじゃないかな。



分かってはいても…そうでもなければ、鬼殺隊である僕は家族になってあげられない。



累「………」



『…鬼にとっては辛いことですからね、でも喰うのを続けられると…僕はいずれ君を殺さなければいけなくなる。

僕は家族が出来ると、その家族を他よりずっと大切にするような人間です…だから君が家族になるとしたら、僕の守るべき人間を共に守ってくれないと…無理なんですよ。』



そう諭すように肩に手を置き、そう言う。



『友達は無償です、また来ますね。』



そう笑いかけると、また少し表情を崩して微笑みかけてくれる。



…此処に来て、初めて出来た友達な気がする。



僕は君に…生きて欲しいなぁ…なんて、思ってるからさ。



『僕はそろそろ待ってる人が居るから帰りますね。』



累「もう帰るの…？」



羽織を少し掴みながら聞いてくる累くん…待って破壊力っ



『…必ず、君に会いに来ます。』



そう頭を撫でてやれば、目を細めながら手を離す。



累「…名前だけ…教えて…？」



『…癸A、Aで良いですよ。』



累「うん、またねA、喰われないでね。」



『有り得ること言うのやめてくださいよ怖いな、またね。』

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