42話☆ ページ44
「私が斬られそうになった時、羅刹が出たからとは言え助けてくれました。
それに…盗人ではないと分かっていたからなのは知ってますけど、羅刹から守ってくれました。
斬るところを見ることに怯えているのに気付き…隊服をかけてもくれて…。
新選組についてからも、私が死なないよう助け舟を出してくれたり…天馬さんは、いつも優しく私のことを守ってくれる。
それなのに怯えたりするわけないじゃないですか!」
思ったことを全て言うと、天馬さんは着物(?)の裾で顔を隠してしまう。
「天馬さん…?」
『…僕に普通に関わってくるのなんて、斎藤さん以来ですよ…。
…そんな風に褒めてきたのは、貴女が初めてですけどね。』
「…もしかして、照れてます?」
『何でそんなにハッキリ言っちゃうんですか??』
裾から顔を少し出し、そう言ってくる。
…あまり変わってないように見えるけど、何となく少しだけ恥ずかしそうにしてる。
「ふふ、可愛い!」
『嬉しくないですね。』
男の人に可愛いは良くなかったかも。
『…貴女は、もう、』
「?」
『貴女に伝えておかなければいけないことがあります。』
その言葉に、首を傾げながら天馬さんを見る。
すると、天馬さんは…また裾で顔を隠しながら、小さめの声で告げた。
『…僕は、女なのですよ。』
…女…おんな…オンナ……おん、な…?
「…え、ええええええええええ!?!?」
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