41話☆ ページ43
「美味しい…!」
『でしょう?ここの甘味は別格なのです。』
そう言いながらお団子を口に入れる天馬さんは、どことなく嬉しそうな顔をしている。
「ふふ、天馬さんほんとに甘いもの好きなんですね!」
『ええ…とても。特に葛餅が…。』
「くずもち?」
『食べたことはありませんか?』
「いや、あるんですけど…ここら辺にあるんですか?」
『はい、まあ高価ですが。』
そっかぁ…この時代では高いのかぁ…。
「ふふ、私も好きです葛餅!」
『美味しいですよね。』
…やっぱり。
この人は本当に不器用…というか、感情を表に出すのが苦手なんだ。
だから…無表情に見える…。
でもちゃんと見れば違うんだ。
この人は…感情があるのはもちろん、少しだけど表情も変える。
それに気付いて…多少の変化にも気付かないと…仲良くなんてなれない。
斎藤さんは、少しかもしれないけど気付くことが出来ているんじゃないかな。
だって天馬さんは…今も、嬉しそうな顔をしているから。
『天野さんは不思議な方ですね。』
「え?」
『僕に怯えることもなければ、死への恐怖もあまり持っていない。
武器を持つ相手に対し、口で対応しようとする…何だか凄いし、ある意味恐ろしいです。』
何か…うん…色々分かんないけど…
「天馬さんは怖くないですから。」
『…怖くない?』
「はい。」
だって…
「天馬さんは、出会った時からずっと優しい。」
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