33話☆ ページ35
「…はあ。」
原田「どうした？」
「っ…原田さん、」
部屋で溜息を吐いていると、いつから居たのか…原田さんが声を掛けてくる。
原田「何落ち込んでんだ？」
「…いや、私のせいで沖田さんと天馬さんが…」
原田「ああ、彼奴らならいつもあんな感じだぜ？」
「ええ！？」
原田さんは少し私との間に間を空け、座りながらそう言う。
原田「どうやら彼奴ら、馬が合わねぇみたいでさ…顔合わせりゃ総司が喧嘩売ってそのままいつも口喧嘩…時には刀抜き出すことさえある。」
「そ、そんなに…」
原田「それに、天馬に限ってはいつもああいう態度だ…誰に対してもあれだからな、幹部はまだ良くても隊士達からの評判は良くねぇ…怯えられてるからいつも一人だ。」
…その言葉に、少し俯く。
どんな理由があれ…一人は寂しいはずなのに…。
原田「一応幹部ってことで俺達と行動を共にはしてるが…彼奴自身がそれを望んでいるかは知らねぇ。
もしかしたら誰とも関わりたくねぇ、ってことであの態度なのかもしれねぇしな。
そう考えると、ずっと近くに居て唯一マトモに会話をしている斎藤は凄えよな。」
「斎藤さんが？」
原田「まあ、彼奴を拾ったのは斎藤だからな。」
…その言葉に多少の違和感を感じる。
いや…多少なんて、そんなもんじゃない。
「…拾ったのは…ってことは、捨てられてたんですか？」
聞くと、原田さんは少し頭を掻き…困ったように笑いながら、言った。
原田「捨てられてた、っていうのかは知らねぇが…彼奴、行く所とか無かったとかで、雨の中外を彷徨い歩いてたんだとよ。」
…え？
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 3人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
