18話☆ ページ20
近藤「それで、救えたのか?世界は。」
まるで子どものように、親に絵本の続きを催促するように、そう聞いてくる。
「…え、今の作り話みたいな話を信じたんですか!?」
藤堂「お前がそれ言うか!?」
あ、いや、そうなんですけど、流石にこの人の頭に中身を疑うよね…(失礼)
『…もうここまで来たら、流石近藤さんというしかないですね…。』
呆れたようにそう言ったテンマさんは、私の方を見る。
『…まあ、貴女が何らかのことがあり肝が据わっているのはよく分かりました…。
そこで…ですが…誰かの小姓として、ここに置いておくのはいかがでしょうか。』
…まるで千鶴ちゃんのような展開だ。
千鶴ちゃんポジってことはないと思う…だって雪村綱道が居ないと物語は進まないから…。
でも、これは、あれか…?
「…ってことは、みんなの生存ルートを作ることが出来る…?」
小声で誰にも聞こえないように言ったその言葉を待っていたかと言うように、テンマさんは鋭い目で私を見た。
『…天野さん、貴女に質問です。』
「は、い…?」
『…貴女は一体、“何処の”、“どなた”、ですか?』
全てを見透かすようなその目に、私は悟った。
…ああきっと、この人には隠すことなんて出来ない。
出来るわけもない…。
…それならば、全て話してしまった方が楽かもしれない。
「…私は…」
信じてもらえないのを承知で、その言葉を静かに紡ぐ。
「…異世界の、未来から、やって来ました。」
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