▼71 ページ2
望 side
ふとした時に、あの日のことを思い出す。
彼女が俺を抱き締めてくれた時のこと
誰かに必要とされたかった、と初めて声に出した時のこと
縋るようにその細い身体を抱き締めた時、
彼女は
A「...ひとりは寂しいよね。苦しかったよね。」
ぽつり、と耳元で呟いた。
身体を離して、頬に手を添えると
A「のんちゃんの過去の話、きっと十分に理解してあげることはできないけど...今の私には、今ののんちゃんが必要だよ。のんちゃんがいるから笑えてるんだよ。」
そう言って、いつのまにか流れていた涙を拭ってくれた。
その言葉が凍っていた心をじんわりと溶かしていくようで、
やっと少しずつ息ができる、そんな気持ちになった。
たった数ヶ月前の話やけど、
『思い出す』
そんな大袈裟な言葉を使うに値する出来事
そして今だって、
風呂の準備ができたと彼女に声をかけようと部屋の前に来たこの瞬間だって、
楽しそうに電話をする彼女の声が聞こえて
また思い出すんや。
...俺を必要としてくれてる、んだよね?
もしも彼女が重岡くんと付き合ったら、
もしも彼女が『好きな人』と結ばれたら
俺は、もう必要のない存在になるんやろうか?
やっぱり、君も俺から離れていくんかな?
801人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「ジャニーズWEST」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
えま(プロフ) - 大好きです、更新待ってます! (2019年7月5日 1時) (レス) id: 12eed30ffb (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:夏 | 作成日時:2019年6月16日 22時