【 stxxx 】ねぇ、僕だって。【黄青】 (ページ1)

今日:1 hit、昨日:5 hit、合計:2,122 hit

1話ページ1

１＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿

るぅとside

街がクリスマス一色に染まる時期。
自分の部屋で新しい歌ってみたの編集を終わらせた。

椅子に背中を預け、ゆっくりと腕を伸ばす。

ちらっと時計に目をやる。
もう、ほとんどの人が寝静まっているであろう深夜2時。

コーヒーでも飲むか。
椅子から腰を上げ、リビングへと向かった。

コーヒーをいれたマグカップを片手にソファに座る。
ついでに充電されていたスマホも取って。

コーヒーを一口飲んだ時、スマホが一定の音を出して鳴った。

こんな時間に電話か。

「、、、、、、？ころちゃん？」

通知の先の相手は僕のユニットのメンバー、ころちゃんだった。こんな時間になんだろう。

ただ、ひたすらに嫌な予感がした。

「ころちゃん？どうしました？」

「もう、僕無理、、っ、」

電話越しに聞こえるころちゃんの声はただひたすらに枯れていて、そのうえ嗚咽をあげていた。

「少し待っててください、今からそっちに向かいます」

「、、、、、、、、うん、」

ころちゃんからの応答を合図に僕は通話を切り、財布、スマホ、家の鍵を手に持ち、コートを羽織って家を出た。

コーヒーなんかまだ一口しか飲んでいないというのに。

外に出ると、想像以上の寒さに足が震える。
イルミネーションもいつの間にか光を消しており、クリスマス特有の小さく聞こえていた明るい音楽も聞こえなくなっていた。

タクシーより走った方が早いか。
僕はころちゃんの家まで無我夢中に走り続けた。

やがて見慣れたマンションにたどり着く。
これまた押し慣れた部屋番号を押し、オートロックを開けてもらい、エレベーターに乗った。

数秒で着いたころちゃんの部屋の階。
インターホンを鳴らすと、涙で顔が濡れたころちゃんがゆっくりとドアを開けた。

「、、、る、とくん」

「、、、。」

思った以上の深刻さに僕は喉を鳴らす。

「、、。入りますね」

僕はころちゃんの手を取り、部屋の中へと入っていった。