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「さ、車椅子降りますかー」








待ち合わせ場所に着くとAはそう言った。








シ「お前これなきゃダメだろ」








俺は酸素ボンベを指さした。








「んー、なんだか今日は元気だから大丈夫な気がする」








シ「“気”だろ。良いから座ってろ」








「座ってたらアスレチック出来ないよ?」








シ「今日はアスレチックやめんだよ」








俺がそう言うと








「じゃあいつするの?」








と急に泣きそうな声で聞いてくるから、言葉を返すことができなかった。









「明日?明後日?








あと何日残されてるかわからないのに









私はずっと回復するまで待ってなきゃいけないの?









回復するかもわからないのに?」









パニックになると早口になるのは昔から変わらない。









「シルクは私の苦しみなんてわからないんだから








私の生きたいように生きさせてよ」








そう言うなり酸素チューブを鼻から外して








車椅子から立ち上がり俺の元から離れようとした。








俺は慌てて腕を引いたけれど








あいつはそんな俺の手を振り払ってスタスタと歩いて行ってしまう。








シ「待てっての」









俺は追いかけ、嫌がるAの腕を引いて待ち合わせ場所に連れて帰った。









「やめてよ、嫌だって言ってんじゃん!」








シ「…アスレチック行くんだろ?待ち合わせくらいちゃんとしろ」








その一言で彼女は黙り込んだ。








沈黙の中








“シルクは私の苦しみなんてわからないんだから私の生きたいように生きさせてよ”









という言葉が俺の耳元でこだましていた。

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作品ジャンル:恋愛
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鈴木佳花 - 最後めっちゃ泣いちゃった (2019年2月1日 19時) (レス) id: 8c51f3c097 (このIDを非表示/違反報告)
リサル - 君を忘れたいを聴きながら、読んでいたので、なんだか、曲とあっていて、倍泣いてしまいました。とってもいい作品です! (2018年11月25日 17時) (レス) id: 0d0f76e2d7 (このIDを非表示/違反報告)
るる - なんか、「君の膵臓を食べたい」に似てる気がする。 (2018年8月5日 15時) (レス) id: 5f41b25908 (このIDを非表示/違反報告)
ゆあゆあ - めっちゃ泣いてしまいました~!いい作品! (2018年6月22日 19時) (レス) id: d4e608e91e (このIDを非表示/違反報告)
ういろううり(プロフ) - 話がすごく良すぎて泣いてしまいました。すごくいい話! (2018年5月31日 23時) (レス) id: 5156ec9647 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:すば∞なな | 作成日時:2017年6月25日 22時

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