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バスケのセンスは俺より上で
トークも面白くて
気遣いのできる優しい奴で
頭も俺より良くて
リーダーシップもあるAを
俺は中学の頃から尊敬しつつもライバル視していた。
大人になって酒を飲んでいる今この時も。
「ねえ、シルクロード。いや、絹張諒」
「何だよ」
酔いが回っているのか絡みがめんどくさい。
「一年間私と付き合って」
「は？」
彼女の口から出た言葉は衝撃だった。
「諒は私のこと恋人として見ることはないでしょ？
これからもずーっと」
「あ？ああ」
「諒と私はずっと犬猿の仲だからさ
私は諒が良いと思ったんだ」
「訳わかんねえんだけど」
付き合ってと言われる意味もわからなかったが
何より一年間と限定していることも訳がわからなかった。
「…これ、見て欲しいの。
そのために今日飲みに誘ったのもあるから」
どうせ彼氏と別れたとかのLINEだと思った。
こいつは昔からずっと振られたら俺に愚痴ってくるような奴だから。
でも、彼女が俺に見せたものは
病院の診断書。
そこには“肺癌”の二文字が。
「もう末期なの。全身にも転移してる。
あと1年生きれたら奇跡だって」
明るくそう言う彼女と反対に俺は動揺を隠せず絶句した。
「私ね、考えたの。
人生の最後に一緒に過ごしたいのは誰かって
家族かなーとか、彼氏かなーとか。
でも、みんなが悲しむ顔想像したら胸が痛くなっちゃって。
そこでね、諒が良いなーって思ったの。
諒とはずっと犬猿の仲だったから
たくさん相談に乗って貰ったりもしたし
勝負もしたし
たくさん私の嫌なところ知ってるから
私のこと好きになることはないでしょ？
私に興味ない人と人生の最期を送りたいと思ったの」
返す言葉が見つからなかった。
そんな俺を彼女はいつもの明るい笑顔で見つめていた。
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鈴木佳花 - 最後めっちゃ泣いちゃった (2019年2月1日 19時) (
レス) id: 8c51f3c097 (このIDを非表示/違反報告)
リサル - 君を忘れたいを聴きながら、読んでいたので、なんだか、曲とあっていて、倍泣いてしまいました。とってもいい作品です！ (2018年11月25日 17時) (レス) id: 0d0f76e2d7 (このIDを非表示/違反報告)
るる - なんか、「君の膵臓を食べたい」に似てる気がする。 (2018年8月5日 15時) (レス) id: 5f41b25908 (このIDを非表示/違反報告)
ゆあゆあ - めっちゃ泣いてしまいました~!いい作品! (2018年6月22日 19時) (レス) id: d4e608e91e (このIDを非表示/違反報告)
ういろううり(プロフ) - 話がすごく良すぎて泣いてしまいました。すごくいい話！ (2018年5月31日 23時) (レス) id: 5156ec9647 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：すば∞なな
| 作成日時：2017年6月25日 22時
