この恋の終わらせ方。〔完結〕

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「ねぇ、Aってほんとに作間くんと付き合ってないの？」

「残念ながら、付き合ってません」



最初は由真だけだった会話の参加者は近くに座っていた女子達にまで侵食して、「付き合ってないの？」「うっそだー、デキてるでしょ」って右から左から総攻撃を喰らった。





「なんで付き合わないの？あんな好物件」

「なんでって…別に作ちゃんはただの腐れ縁で、そういう対象じゃないっていうか。あのエスパーだけは違うというか…」



作ちゃんとは学部こそ違うけど、サークルは同じバドミントンサークル。
多い時は週3で会っているから、もはや新鮮味もトキメキも何もない。


彼は友達。
……もしくは戦友？

私の苦い苦い片想いを、唯一知ってる人＿＿



それ以上でもそれ以下でもなかった。








「てかさ、Aの浮いた話って聞かないんだけど」

「あー…うん」

「どうなの？あ…もしかして今までで彼氏…」

「やめて！その哀れみの目っ！！」



由真はわざとらしく目を潤ませて、片手で口を覆う。


おいおい、なんだその顔。
なにその哀れみを込めた目は。


可哀想とでも言いたげな表情が無性にムカついて、


「いましたっ！私にも彼氏くらいいたからっ！」


つい口走ってしまった。








「へー、いたんだ(笑)」

彼女は小悪魔…いや、悪魔のようにニヤリと意地悪く笑う。


嵌められたと思ったところでもう遅かった。
もう遅いから、「はいはい。いましたよー」なんて開き直る。









たしかに、私の高校三年間。

それは瑞稀くんへの片想い期間だった。







でもそんな私にも、






あの頃、









『A先輩！』









“彼氏”はいたんだ＿＿




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