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進学してから紬とも瑞稀くんとも会う機会は減っていて、紬とはLINEで連絡を取り合っているけど瑞稀くんの方はさっぱりだった。
大学3年になった今では年初めに4人で会って以来、彼とは1度も会っていない。
それとは打って変わって、月4回。
言い換えれば週1回。
複数だったり、二人きりだったり。
その違いはあるにしても、一緒に食事に行っているのが目の前に座るこの男だ。
「はい、どーぞ」
「ん、ありがと」
小皿に取り分けてくれた水菜と大根の和風サラダを受け取る。
きっちりと人数分に分けられたサラダ。
別にこれは女の仕事ってわけでもないけど、男の作ちゃんにそうソツなくこなされたら女のメンツが丸潰れというものだ。
……かといって何もしないのが、私をはじめこのサークルの女子達である。
サークルの同期が彼女と別れたらしく、今日はその彼の慰め会として飲み会が開かれた。
でもまあ、慰め会なんてのは結局名目にすぎなくて、これはただ飲みたいだけの集まり。
総勢15人での飲み会はお酒が進むにつれてどんどん騒がしくなっていく。
そんな飲み会の途中。
酔いも回っていい気分になりはじめた頃。
「作間くんっていいよね」
右側に座っていた由真が唐突にそんなことを言った。
ショートカットが似合うその子は大学に入ってからの1番の友人だ。
「……は？」
「だって、作間くんってよくない？」
「え、たとえば？」
「まずは顔だよね、顔。かっこいいじゃん」
まずは顔かよ！って思ったけど、結局のところ顔は大事だと私も思っているのでそこはあえてつっこまない。
「それにスタイルいいし、運動得意だし、優しいし、気が利くし。まさにハイスペック！」
「ほしい。作間くんみたいなハイスペック彼氏がほしい！」なんて言いながら、由真はゴクッと喉を鳴らしてグラスに残っていた梅酒を飲み干した。
「作ちゃんねぇ…」
小さく呟いて彼を見る。
さっきまで私の向かいに座ってサラダを取り分けていた彼は、飲みすぎで倒れている同期の介抱にまわっていた。
作ちゃんは外面が抜群にいい。
人見知りということもあってか、慣れるまで最初はとくに人に気を遣いすぎる。
慣れてくるとネジが１、２本どころじゃなくかなりなくなっている人だって気が付くけど、私だってそれに気が付いたのは出会って1年過ぎた頃だった。
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の - 凄く感動しました。作ちゃんがもう作ちゃんで場面が想像できました。瑞稀くんが結婚するって言った時は泣いてしまいました。片想いって本当にしんどいです。作ちゃん最後は報われてよかったです。久しぶりにこんな胸が痛くなりました。 (2021年8月31日 23時) (
レス) id: 2c22fbd9c9 (このIDを非表示/違反報告)
asumin110(プロフ) - これの作間くんがあったら是非読みたいです！！！ (2021年3月6日 8時) (レス) id: 310d1e6e98 (このIDを非表示/違反報告)
ちぇりー - 今更感想すみません。最後めちゃめちゃ泣いたし井上担なのにすごく幸せな気持ちになりました……読んでよかったです！！ (2019年12月4日 1時) (レス) id: 533c7622c3 (このIDを非表示/違反報告)
じ ゅ き * - 呼んでて涙出てきちゃいました!! これからも作品楽しみにしてますっ (2019年10月24日 19時) (レス) id: 3ad5a89366 (このIDを非表示/違反報告)
ニャニャコ - めちゃくちゃ良かった！ (2019年8月24日 15時) (レス) id: 6881cb58fa (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：りゅりゅ
| 作者ホームページ：https://twitter.com/ryuryu_movie?s=09
作成日時：2018年11月19日 11時
